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<カンボジア> 教育に生きる母・ヤートさん(前編)

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カンボジア出張中の木村です。

今から5年前のこと。2006年9月8日の国際識字デー。カンボジア・トンレサップ湖に浮かぶチョンクニア村では新たな寺子屋の開所式典が行われました。その式典で寺子屋の学習者を代表して堂々とスピーチを読み上げた女性がいました。cambodia-913.jpgクロチ・ヤートさん、当時54歳。42歳の時、日ユ協連が建設した第一号の水上寺子屋の識字教室に通い、見事識字者になった女性です。彼女の人生は識字がきっかけで大きく変わりました。自分の力でビジネスを立ち上げ、酒乱の夫と離婚し、子ども8人を女手ひとつで育てようと決意しました。一日の収入は、多い時で3ドル。少ない時は1ドルにも満たないこともあります。この収入が子どもたちを養うのに十分でないことは彼女自身も分かっていました。それでも自分の力で稼ぐことができる喜びは、ヤートさんを輝かせ、村の保健指導員や保母さんなど、地域でもさまざまな役を与えられるようになりました。

cambodia2-913.jpgあれから5年経った2011年9月8日。国際識字デーの祭典が行われていた会場で、彼女と再会しました。現在59歳のヤートさんは自ら進んでイベントに参加していました。祭典が終わってすぐに私は彼女に声を掛け、近況を聞かせていただくことにしました。

「貧しいながらも子ども達を学校に行かせる努力は惜しまなかった。17歳でやっと小学校を卒業した娘の勉強をどうしても続けさせたくて、別の家庭で奉公させながら市内の中学校、高等学校と通わせたこともある。5人の子どもは既に結婚し、2人はまだ学校に通っている。自分が大人になるまで勉強できず生活に苦労した分、子どもたちにはなるべく若いうちにたくさん学ばせたい。高校卒業でも十分、と周りは言うけれど、できれば大学まで卒業させたい」と熱く語ってくれました。

そのヤートさんの目から突然涙が溢れ出しました。 (後編に続く)

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