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武力紛争、自然災害、大規模工事、都市開発、観光開発、商業的密猟などにより、その普遍的価値を損なうような重大な危機にさらされている遺産は、「危機にさらされている世界遺産リスト(危機遺産リスト)」に登録されます。

2009年6月現在、危機遺産リストに登録されている世界遺産は31件。例えば、エクアドル共和国のガラパゴス諸島は、観光客の増加によって生態系が変化し、2007年に危機遺産リストに登録されました。

危機遺産リストに登録された場合は、国際的な協力を仰ぎ、ワールド・ヘリテジ・ファンド(世界遺産基金)からの財政的支援を申請することができます。また、危機的な状況を脱したとみなされる場合には、危機遺産リストから削除されます。


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アンコール・ワットやアンコール・トムで知られるクメール王朝の遺跡「アンコール」(カンボジア王国)は、内戦による破壊や略奪により、1992年に世界遺産に登録されると同時に危機遺産に登録されました。しかし、その後、日本やフランスの積極的な修復支援が行われた結果、2004年に危機遺産から外されました。日本の支援は上智大学アンコール遺跡国際調査団や、日本政府のユネスコ信託基金による協力などを中心に、長期にわたって行われています。また「カトマンズの谷」は、15年以上にわたって遺産への開発の影響が議論されてきました。しかし世界遺産委員会から政府首脳部への働きかけ、都市計画部局との協議、法律や条例の整備、遺産範囲の見直しなどの努力が重ねられ、2007年に危機遺産から削除されました。開発とどう向き合うかという教訓を与えてくれた例だと言えるでしょう。

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