村越知子さんを迎えて
ピアノ五重奏
シューベルト「ます」
2005年11月4日アイフォニックホール
ピアノ
村越 知子
バイオリン
浅井 咲乃(京響)
三瀬由紀子(京響)
ビオラ
五十嵐美果(京響)
チェロ
佐藤 禎(京響)
コントラバス
三宅 康司(京響)
=曲 目=
《ピアノ》
メンデルスゾーン
無言歌集から「春の歌」 他
リスト
スペイン狂詩曲
《弦楽》
ロッシーニ
弦楽ソナタ 他
《ピアノと弦楽》
シューベルト
ピアノ五重奏曲「ます」
〜村越知子さんのプロフィール〜
4歳より中田雅子氏の手ほどきを受ける。
11歳で毎日新聞主催全日本学生音楽コンクール小学校の部で西日本大会1位、
1984年イタリア、セニガリア市国際ヤングピアニスト コンクールで1位受賞、
翌85年より渡欧。
パリ エコールノルマル音楽院、
イタリア ビエッラ国際アカデミー、
国立トリノ音楽院にて研鑽を積む。
バヴィア スルモーナなどの国際コンクールで1位受賞。
故金澤益孝、アルド・チッコリー、ボリス・ペトルシャンスキーに師事。
2001年青山音楽賞受賞。
現在ミラノ在住。
会場はこの日、超満員となりました。
イタリア・ミラノ市在住のピアニスト村越知子さんを迎えてのピアノ独奏、京都市交響楽団の奏者による弦楽四重奏、そしてピアノ五重奏という多彩なプログラムです。
最初の弦楽四重奏は「バイオリンの音色が素晴らしく、始まってしばらくは鳥肌が立ちました。」という声を聞きました。
村越さんの演奏は、メンデルスゾーンの「無言歌集」では柔らかく夢のようでした。ところが一転、ピアノヴィルトゥオーゾ(名手)であるリスト作曲の「スペイン狂詩曲」になると、力強く情熱的に始まり、次に切々とメロディーを奏で、ピアノの技巧と魅力をふんだんに表現され、会場にはため息が漏れました。
ピアノ五重奏曲「ます」はコントラバスの入る編成ですが、弦楽器最低音域を受け持つこの楽器が入ると柔らかい低音が心地よく、心から癒されます。シューベルト独特の旋律の陰影が第1楽章から豊かに響きました。
特に有名な第4楽章は、主題が次々と楽器を変えながら変奏を展開し、しかも互いに会話をしているような素晴らしいアンサンブルでした。アンコールにもこの第4楽章が演奏され、私たちはその旋律とリズムの余韻に浸りました。