ハーイ、こんにちは・・・

平山郁夫画伯
鎌倉ユネスコ協会会長
ユネスコ親善大使


30年にわたって"文化財赤十字構想"を提唱実践してこられた平山画伯の熱誠に応えるかたちで、去る6月16日、超党派による議員立法「海外文化遺産保護国際協力推進法」が全会一致で可決成立しました。そこでまず、この法律を中心にお話を伺いました。

世界に先がけた画期的な法律

これまでの文化財保護をめぐる日本の国際協力は、JICA、国際交流基金、ユネスコ信託基金、いずれもタテ割りの形でしたが、これからは関係部門の専門家から情報を集めヨコの連携によってコンソーシャム〈共同体〉で進める体制が整ったわけです。
 イタリアには文化財省はありますけれど、破損や損傷の恐れのある海外の文化遺産保護をうたった国内法を制定したのは日本が最初です。今回の法律は、国家としてその理念を世界に示したという意味で画期的なことですね」。
 すでにインドネシアの地震による世界遺産被害調査団が派遣されたという。
 関係者の間で"平山法"とも言われているこの法律のもとで、アジア地域全体を4つにわけて担当する分科会を設置。その全体をまとめる座長に就かれた平山画伯は先進国の文化遺産を担当する分科会の構想も持っておられる。


喜寿を迎える来年の多彩な企画

 昨年、金婚式の席上「絵を描いたのは私の右手ですけど、作品は二人の合作」と美知子夫人との二人三脚の50年を振り返っておられた平山会長にとって、喜寿を迎える来年は、特別企画が目白押し。その一つは国立近代美術館が創立50周年記念事業として9月4日から開く平山郁夫画業60年大回顧展。生存画家による単独展は同美術館の初企画。
 4月には院展初めてのパリ展。さらに'08年オリンピックに合わせて北京で開催の国際画家展への出品も控えている。


愛犬ハナちゃんと遊ぶ平山会長

郷土愛から育む平和の心を
 そんな超ご多忙の中で1988年の創立以来、鎌倉ユネスコの会長を続けてくださっている平山画伯です。画伯の原画で製作の2組の「世界遺産支援絵はがき」の収益でのバーミヤンや高句麗古墳群をはじめとする鎌倉ユネスコによる発展途上国世界遺産支援総額は、今年度で960万円余にのぼります。「多様な自然と人間共生の価値観を教えていくことから郷土への愛が芽生え、おのずから国を愛し世界の平和を希う心が育てていくわけで、愛国心など上から押しつけるものではないですね」と。
 これは鎌倉ユネスコの活動への賛辞とメッセージと受け止めたインタビューでした。〈文責・尾花 写真・鴇澤〉


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