第63回日本ユネスコ運動全国大会

 全国から約800名(当協会からは12名)もが集って、まさに民間ユネスコ活動発祥60周年にふさわしい盛上りとなりました。大会テーマ「みんなちがって、みんないい―今こそめざそう、多文化共生」をめぐっての印象に残る講演やシンポジウムが相次いだことが、世界の多くで文化・価値観の違いを主因とする悲惨な戦争が続いていることに胸を痛める参加者一同の琴線に触れたのだと思います。
 この「みんなちがって、みんないい」は、当地が輩出した早世の詩人「金子みすず」の詩の1節であり、それを含め彼女の詩のすべてに底流している心は「あなたと私」(あなたがいるお陰で私がある)のまなざしである、と語られた矢崎・金子みすず記念館館長の基調講演は真に感動的でした。
 また、ユネスコ憲章の前文中央の「よって平和は、・・・、人類の知的及び精神的連帯の上に築かなければならない。」の部分に焦点を当てて「文化多元主義」が不可欠であることを強調された松浦・ユネスコ事務局長による特別講演、更には服部・ユネスコ事務局官房特別参与の「過去の戦争は互いの文化を知らなかったことに根本原因があった」や幸田・国際連合広報センター所長の「環境全体に多様性が保たれてこそ循環が成立することと同じ論理」として、共に世界の文化の多様な存在を認め合うことの必要を力説されたシンポジウムでのご発言、等のそれぞれから新たな視点を与えられました。
 とりわけ、松田会長による日本ユネスコ協会連盟を代表される立場からの、「戦争難民への識字支援はそれなりに素晴らしいが、その根本である戦争回避自体に向けて政治家に任せずに民間ユネスコがもっと積極的に働きかけるべきでないか」とのシンポジウムでのご発言を、我々として重く受け止めなければならない、と思ったのは私だけでないでしょう。(石田)

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