ユネスコサロン
「裁判員制度・・・もし、任命されたら」

サロンは3月28日(日)午後、カトリック雪ノ下教会レベックホールにて開催されました。講師は会員で市内在住の弁護士、沼野輝彦先生。32名の参加者でした。

裁判員制度の発足と実情
裁判とは無縁の市民が専門家の裁判官と刑事裁判を担当する新しい制度は、平成21年5月21日から発足し、年末までに828名の裁判員が就任、142名の被告人に判決が言い渡されました。平成22年3月25日までに地裁及び支部の合計60に及ぶ全国すべての裁判機関で2400名の裁判員による裁判員裁判が実施されました。

裁判員制度とは
国民が裁判員として選ばれたら公判に出席し、評議、評決に参加し判決に立ち会う事「国民の司法参加」を実現する制度。有権者352人に一人から選ばれたら「私の視点・私の感覚・私の言葉」で参加することが大切です。

対象事件
主たる罪は殺人罪(死刑・無期・5年以上の懲役)強盗致傷罪、現住建造物放火罪の刑事事件。

刑事裁判で大切なこと
1.事実認定と処罰感情を峻別する。裁判での視覚的証拠物件、写真、映像などで感情が高揚しないように慎重に検討する。
2.自白を過大に評価しない。
過度の重視は冤罪や刑事手続きの湾曲を招く。
3.無罪の推定を尊重する。 
無罪の立証の必要なし。犯罪の成立条件の構成要件該当性・違法性・有責性のすべては検察官が主張、立証すべきであり一つでも欠ければ無罪になるのが鉄則。

講師からのメッセージ
沼野先生は弁護士の立場からの私見を述べられた。今の裁判は弁護士のスケジュールに合わせて開かれる。裁判官は3年で移動する。引き継ぎをしながらの裁判に時間がかかりすぎて判決は時間の経過で妥協するケースも多い。これを打破する為の市民参加ととらえたい。明治維新ならぬ司法の維新的改革である。     (内田)

 
 

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