鎌倉ユネスコ第二代理事長の菅原幸助さんが吉川英治文化賞を受賞、4月9日帝国ホテルでの授賞式に。菅原さんが長年にわたって中国残留孤児救済に力を尽くし、国会請願や「改正中国残留邦人支援法」の裁判闘争に先頭に立って闘った貢献が評価されたもの。

菅原さんの尽力で帰国を果たした残留孤児は300世帯。裁判闘争で全国を駆け巡るにも10年来の椎間板ヘルニア後遺症で杖一本が頼りだった菅原さんを昨年から今年にかけて脳内出血と肺ガンが襲い二回にわたる手術を重ねた。
「生活が苦しいのに孤児の皆さんが見舞金を集めたり横浜関帝廟に参拝して私の回復を祈念してくださった」と語る菅原さんが孤児たちに寄せる想いは深い。お見舞金へのお返しに替え、氏は30万円を4月28日結成の「中国残留孤児の尊厳を守る全国協議会」に寄付。

今回の吉川文化賞受賞も「これは私に対する賞ではなく、団結して闘った弧児の皆さん、私を支えてくれた多くのボランティア全員に与えられた賞」と受け止める菅原さんは「孤児の新支援策はまだ不十分です。国の謝罪もありません。私たちはこれからも団結して“戦争反対”と“人間の尊厳”のために闘いましょう」と訴えている。（尾花）