ひろば

言葉について思う
萩野 なおみ

宮沢賢治が好きですが、昨年の3.11の震災以降、賢治の「雨ニモマケズ」がさらに世界中で広く読まれるようになりました。今までも心のなかで、時には声にも出して読むことがありましたが、読むとどんな時にも静かに励まされ、周りの人達の大切さに気づかされ、これからはもっと周囲の人たちを大切にしようと思わせられる不思議な詩です。
人を傷つけることもできる言葉ですが、相手の心を明るくさせることもできる言葉というものの力につくづく考えさせられます。心のこもった言葉で、人々の「絆」がもっと強く暖かく明るく繋がればいい、そうしたいと思うこの頃です。

近頃思うこと
佐藤 劭

昨年12月に国民が志向した言葉として“絆”が決定し公表された。景気の低迷下未曾有の東日本大震災に始まりまもなく一年になろうというのに方向性が未解決の原発問題、円高による不況の最中、タイ国内で発生した洪水によるサプライチェーン供給不能による一層の不安定に加え、人口構造問題、それに関連し社会福祉制度・就労問題等々、未解決の難問山積のまま新年を迎えた。
被災地でのボランティア活動に始まり、忘れかけていたこの“絆”は、共助と人間復活に大きく寄与するものである。この絆を大切にしつつ社会貢献に参加できる喜びが、ますます開花して行くことを期待して已まない。

美しい街
馬場 信子

海外公演で訪れた北欧の国デンマーク。アンデルセンも住んだという古い建物もそのままに、タイムスリップしたような極めて美しい街並みは、法律に基づき、景観が守られ保存されていました。現在の建物は、その高さはもちろん、壁や屋根の色も決められて、洗濯物も外から見えるところに干してはいけない・・・。
うっかりと窓にタオルを干してしまった私はあわてて室内に。一人一人の努力によって景観を皆で守ることの大切さをその時初めて認識致しました。緑ゆたかな美しい古都鎌倉。多くの方たちの努力によって守られていることを改めて感じさせて頂いております。

ユネスコに参加して
多田 家子

石田理事長からお誘いを受け、ユネスコの活動に感銘を受け、昨年お仲間に入れていただきました。よろしくお願いいたします。
私は鎌倉市台の「コア北鎌倉」という老人ホームの一角で、中高年の方々が元気に生きがいを持ち、集える場所「ピアーノ」の活動に参加しています。男の料理、足のつぼマッサージ、つるし雛、小さなコンサート等々色々な講座を開き、そこで講師をしたり、生徒となったり、10年後も今と同じことができることを目標に、日々楽しく、体と心を鍛えています。
世界に向けて活動しているユネスコに参加させていただき、大いに刺激をうけると共に何かお役に立てればと思っております。

被災地の子供
中沢 克之

東日本大震災から一年、初めて被災地に立ったのが3月後半。音もなく動くものもないその光景に、言葉が出ずにただ涙しました。それから毎月のように被災地に伺い、様々な形で支援を続けています。11月、被災地の子どもたちに米大リーグ選手会からの贈り物を大リーガーの斉藤隆選手、先輩達と届けました。家を失い、家族を失い、友達を失った子どもたちが、「MBL」の入った野球用具に目を輝かせ、笑顔で斉藤投手とキャッチボール。「夢は何?」と聞きますと、「プロ野球選手」。夢は見るものではなく叶えるもの。被災地の子どもたちの「夢」が叶いますように。

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