◎時事評論 「米国の同時多発テロ報復について」
大阪ユネスコ協会名誉会長 山口博恭
米国ニューヨークの世界貿易センター及びワシントンのペンタゴンに対するハイジャック航空機による同時多発テロは前代未聞の暴挙で、ブッシュ大統領が「これはテロというより戦争だ」と叫んだのも無理はない。
 ブッシュ大統領も最初は首謀者のいるアフガニスタン攻撃を考えていたらしいが、結局今回のテロの首謀者オサマ・ビンラディン氏及び同氏その他の 率いるテロ集団の壊滅を目的としているという戦争の目的を明確にし、稍正当化してきたようだ
 もとよりテロ集団を壊滅することは大切だが、何としても非戦闘員である無辜の国民を殺傷する ことは避けてもらいたい。わずかな私財を車に積んで、妻や幼い子供たちを連れて
国外に逃亡して行く姿をテレビで見ると涙が出てくる。
 太平洋戦争の末期において、米国のトルーマン大統領が早期勝利を焦り、広島、長崎に原爆を投ぜしめて、無辜の国民数十万人を殺傷したことを、我々は忘れてはいない。

その他 2002
  特に一番印象が強かったのは、サイミンさんとザイナルさんとの出会いです。二人ともイスラム教徒です。私は、この2人に出会うまで、イスラム教とはどんな宗教なのかよく知りませんでした。知っていることといえば、ニュースでよく見るイスラム過激派と呼ばれる人々がいて紛争を繰り返しているんだ、ということでした。だから、今度ホームステイに来る人がイスラム教徒だと聞いたときには、こわいから嫌だなあ、と思いました。
 でも、実際にサイミンさん、ザイナルさんと話してみると、私がイスラム教徒を偏見の目で見ていたことに気がつきました。 イスラム教徒といっても人それぞれで、信仰の仕方も、生活の様子もみんな同じではないのです。私たちもそうであるように、人それぞれなのです。私がずっと怖いと感じていた過激派と呼ばれる人々も、ごく一部だということもわかりました。イスラム教の人々がすべてそれを支持しているわけではないのです。
 それから、わたしがずっと不思議に思っていた断食についても教えてもらいました。断食とはずっと食事を我慢して、自分の限界に挑戦しているのかと思っていました。でも本当の断食の意味は、食事を我慢することによって、貧しい人々の気持ちや苦しみを知ることだそうです。そこには、相手の立場になる、相手の気持ちに共感する、という、人と人のつながりに欠かせない大切な思いがあったのです。自分の誤解を恥ずかしく思いました。
 私はこの出会いがなければ、きっとイスラム教について知ることはなかったと思います

大阪ユネスコ協会平成13年度定時総会で挨拶する中馬弘毅・新会長
◎中馬弘毅・大阪ユネスコ協会新会長の挨拶
「ユネスコ精神に思う」

「戦争は人の心の中に生まれるものであるから、 人の心の中に平和のとりでを築かなければならな い」という国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)憲章前文の理念に則り創立された我が「大阪ユネ スコ協会」は今年で53年の歴史を持つに至りました。米国で起きた同時多発テロの背景及びその後の各国各機関の対応を考えるにつけても、それぞれの民族や集団の歴史的わだかまりや異文化へ の無理解、他宗教への排他性等の解消なくしては 根本的解決にはならないと痛感する次第です。今こそ国際交流を通じ教育を通じ、互いの文化社会 を理解し、人の心と心の触れ合いで平和を築くと 長言う理念に立脚したユネスコ運動を各地でさらに一層広げていこうではありませんか。これが私たちの務めです。

ホームステイの経験 大阪府立松原高校2年 上田 葉子
  最近起きたアメリカ同時多発テロで、アメリカに住んでいるイスラム教徒の人が、家に脅迫文を送り付けられたりする嫌がらせを受ける被害があったとニュースで見ました。私は胸が締め付けられる思いでした。イスラム教だというだけで人が傷つけられるのはおかしい。そういうふうに私がすぐ思えたのは、サイミンさんとザイナルさんと直接話をしたことにあるからです。サイミンさんとザイナルさんも私たちと同じように幸せを願い、平和を求めているということを知っているからです。話をしたり、一緒に何かをすることで、本当の相手が見えてくるのです。それで、初めて知っているといえるのです。相手を知るということは、相手の立場になって考えることができるということです。相手の立場になれば、脅迫や嫌がらせなどできないはずです。
 言葉や、文化や、国を超えて交流をしようとしない閉鎖的な人は、相手の立場を理解しようとしない人です。自分が偏見や憎しみにとらわれていても、気づくことのできない人です。
 逆に、交流を求め平和を求める人は、弱くつらい人と同じ立場に立ってその痛みをわかろうとする人です。私はいろいろな国の人々との出会いの中で、そう感じています。
 私にとって交流とは、自分の世界観や知識を広め、人間に対しての理解を深めることです。離れてみているだけでは、本当の姿は見えてきません。
 私はこれからも、いろいろな国へ行き、たくさんの文化や人々とふれあい、それをみんなに伝えていけるような大人になりたいと願っています。』
平成14(2002)年 1月26日に実施した平成13年度「国際理解・ 国際協力のための高校生 のスピーチコンテスト」おける最優秀作品 、
『 私は今までに4回ホームステイの経験があります。 初めてのホームステイは、大阪府教育委員会の「ウルルン滞在記」という企画で、インドネシア出身のサイミンさんとザイナルさんを私の家に招いたことです。 それから、中国からの留学生のマーさんとフーさん、そしてもう1人はダルスマンさんというインドネシアからきた方です。あと1回は、韓国修学旅行の時のホームステイ体験です。どの出会いも、とても素晴らしく、心に残っています。
国連ボランティア(UNV)専門家登録募集
国際機関人事センターでは、国際機関が行っている人道援助等の活動に関し、我が国からのボランティアを促進するため、同センター内に「国際ボランティア登録センター」を開設。国際ボランティア登録センターでは、現在、国連ボランティア計画の国連ボランティア(UNV)専門家への登録応募に関する情報を提供している。
登録希望者は、当センターへ所定用紙を請求のこと。所定用紙とともにUNV年次報告が送られる。ただし、応募者については、その資格、ボランティア活動への適格性等の選考が行われるため、応募が必ずしも登録にはつながらない。選考はUNV本部(ドイツ)で行われる。
1.資格要件
(1)年齢:原則として25歳以上、上限はなし。
(2)学歴・職歴:大学卒業または専門資格の取得後 最低2年以上の勤務経験があること。
(3)語学:英語、フランス語、スペイン語などの国連公用語で日常業務が遂行できるコミュニケーション能力
2.活動分野
国際機関が行っている開発支援・人道援助の活動、具体的には、教育、医療、環境、HIV/AIDS、社会開発、ジェンダー、農業、選挙支援、難民支援、人権、コンピュータなど
(問い合わせ先) 国際連合開発計画(UNDP)東京連絡事務所 TEL:03-5467-7815 FAX:03-5467-4878

事務局より
書き損じハガキキャンペーン の実施についてご協力のお願い
 
国連は2003年」から」2012年」までの10年間を「国際識字の10年:すべての人々に教育を」と定めました。日本ユネスコ協会連盟は「すべての人々に教育を」提供するために世界寺子屋運動の資金を作り、識字教育の運営や寺子屋建設に役立ててゆきます。大阪ユネスコ協会は、会員の皆様に書き損じハガキのご提供をお願いして、このキャンペーンに協力していと考えています。
住所や宛名を書き間違えたり、使わなかった年賀ハガキや未使用の一般の官製ハガキをぜひ当協会事務局へお送りください。  

   受付締め切りは3月末日です

使用済み郵便切手ご提供を感謝します
・今回のご提供者(順不同、敬称略、氏名確認分のみ)
大阪府門真市 畑中幸子、大阪市 新生紙化工業(株)野口、三重県松阪市 THK(株)三重工場品質保証課寺本

使用済み切手でアジアに医療協力を
  ・当協会が 受け取った使用済み切手は、東京の日本キリスト教海外医療協力会へまとめて送られ、郵趣家や切手商の協力によってお金にかえ、この資金により同協力会がネパール、バングラデシュ、カンボジア、タイ、台湾など、アジアを中心とする医療に恵まれない地域に医師、看護師、保険士などを派遣、アジアの人々の健康作りに協力しています。
 当協会では使用済み切手を、お引き取りいたします。随時お送りください。
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