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【お知らせ】ユネスコ協会と学校の連携について、座談会を行いました。

座談会
ユネスコ協会と学校の連携

出席者 *プロフィールは文末をご覧ください。
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(写真左から)
箕面ユネスコ協会 坂口一美会長
岡山ユネスコ協会 武泰稔(やすとし)会長
富山ユネスコ協会 水上庄子副会長
市川市ユネスコ協会 吉崎晴子会長

司会:日本ユネスコ協会連盟事務局 古澤真理子

司会: 本日のテーマは、「ユネスコ協会と学校の連携」です。2005年からユネスコが中心となって世界的に進めている「持続可能な開発のための教育(ESD)」は、今年で早くも10 年目になります。11月には、名古屋と岡山で10年間の最終年会合も開かれます。
しかし、正直なところ、ESDの考え方が将来の地球社会にとって重要だということは理解できても、それをユネスコ協会の具体的な活動にして取り組めていないのが現状ではないでしょうか。取り組もうにも、どうしたらよいかわからない、というのが本音だと思います。
そのような中、文部科学省はESDの拠点としてのユネスコスクール登録に取り組み、現在、全国的に647校(2013 年9月31日現在)まで拡大しています。それに伴い、ユネスコ協会にとっても、ユネスコスクールとの連携の道を探ることが、ESDの具体的活動につながるような方向性が見えてきました。
そこで日本ユネスコ協会連盟は、2013年度から「ユネスコ協会ESDパスポート」事業を試験的に始めました。これは、学校でESDを学んだ子どもたちに、ユネスコ協会が地域の日常的な課題解決のためのボランティア活動に参加することを促進し、ESDを体験的に学ぶ機会を提供する取り組みです。つまり、学校での学びと地域での体験を総合して、子どもたちの豊かな学びと成長を図ることを目指しています。また、ESDパスポートが地域の中の学校とユネスコ協会、そのほかのNPO、NGOそれぞれをつなぐハブ的な機能を持つことを目指し、取り組み事例を集めながら本格的な始動へ向けて準備をしているところです。
本日は、日頃からユネスコスクールや学校と積極的な関係づくりに取り組み、ESDパスポートにも実験的に取り組もうとされているユネスコ協会の皆さまにお集まりいただきました。まだまだ連携のための模索は始まったばかりですが、先進的に学校との連携に取り組む中でお感じになっている、連携の可能性や難しさにについて、忌憚のないご意見を伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
それでは最初に、自己紹介をお願いします。

吉崎: 市川市ユネスコ協会は今年で22年目くらいになります。私は千葉県ユネスコ協会連絡協議会の理事で、平和の文化東京ユネスコクラブの理事を務めています。市川市ユ協で事務局長を13年、副会長を4年、今年から会長になりました。ユネスコ歴18年です。
千葉県で開催された2000年の全国大会や1999年の関東ブロック研究会では県連の事務局長の立場でしたので、深く関わりました。2008年は県大会を市川で開催し、一応大きな大会は経験しています。99年のときは市川が主幹で、関東ブロック研究会1日開催を実現しました。その後また1泊2日に戻りましたが...。私は全体会、皆勤賞です。ユネスコを通して信頼する友もできました。
ユネスコスクールは国内委員のときに積極的に加盟を呼びかけ、市川市内では7校が加盟。現在は加盟校と地域との連携事業を模索しています。加盟校自体とのつながり、地域とのつながり、私たちのような民間ボランティアとしてつながれるところを模索しているところです。

武: 今年から岡山ユネスコ協会の会長をしています。組織が必ずしも活発ではなく、やっていることもマンネリ化している状況です。かつては、小・中学校の教員を務め、生まれ育った町の教育長を去年までしていました。そういう経験を生かしながら、岡山ユ協を活性化していきたいと思っています。そこにESDパスポートは私の思いを達成する有効な事業だと思い、いま一生懸命、教育委員会などと協力して学校に呼びかけています。11校に呼びかけ、全校快く参加してくれました。今日は皆さんのお話を伺い、岡山でのESDパスポートの進め方の参考にしたいと思います。

水上: 私も38年間、小学校の教員をしておりまして、その後、富山県の教育委員として4年間、教育に携わってきました。ユネスコ協会歴は6年目。退職する年に、私が校長をしていた学校で書きそんじハガキキャンペーンに参加しました。そのとき子どもたちのエネルギーがすごくて、1軒1軒まわって地域の方に呼びかけ、5000枚以上のハガキを集めました。あの子どもたちの姿に学び、私にもまだできることがあるんだ、とユネスコ協会に入りました。富山ユ協には青少年育成委員会というのがあり、その責任者としてユネスコ学生弁論大会を担当しています。これは歴史が古くて60年以上続いています。それから、おもにユネスコスクールの推進を中心に担当しています。ただ、担当する者が高齢化し、教員経験があるのも自分だけなので、私がひとりでまわっているのが現状です。

坂口: 大阪の箕面からきました。箕面ユネスコ協会は、今年2月に発足したばかり。私は平成18年から6年間、ユネスコ国内委員を務め、箕面で教育委員を8年やっていました。子育てをしながら教育現場でいろいろとやってきた。箕面ユ協発足のときに目指したのは、ユネスコスクールの応援団になろうということ。箕面は地味なのですが、文化的にも魅力のあるところなので、そういう部分を伝えながら、第一はユネスコスクールの推進を考えています。地域の応援団になろうということで始まっています。私がユネスコ国内委員を始めたときは、ユネスコスクールは全国で25校しかありませんでした。それから6年で600校を越えたというのは、すごいこと。箕面でなかなかユネスコスクールが誕生しないことに、私も悩んでいましたが、西都の丘学園という小中一貫校を中心に、少しずつ加入が増えてきました。また、ユネスコスクールに加入していなくても、ユネスコの精神にのっとったESDの、命の大切さとか、世界や地域、家庭の課題を自分自身のものとして解決していこうと、総合学習で取り組んでいる学校は非常に多い。そのままユネスコスクールの活動になっていることが多いけれど、そのことに先生方も気づいていない。それでいま、学校の総合学習を、先生と一緒になってプログラムをつくるところから参加しています。とくに命の大切さ、国際理解、ボランティア活動も含めて学ぶ小学4、5年生を対象にしています。

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司会: 大変心強い4人の皆さまにお集まりいただきました。それでは早速本題に入ります。まず、皆さまの協会がESDパスポートを含め、これまでユネスコスクールや学校との連携に取り組んできて、最も良かった点や、成果が上がったと思われる点をひとつ、机の上のフリップにお書きください。

吉崎: 「青年会員の成長」
学校との連携ができたことで、その一翼を青年に担ってもらったところ、青年会員がものすごく成長したのです。学校との連携ができた中で、お互い目に見えて成長できた。1ヵ月に2回、学校に補習とユネスコの話をしにいってもう5年くらい。最初はおどおどしていた青年たちが、子どもに接するうちにだんだん子どもたちに寄り添うようになり、自分たちで企画もし、運営もし、子どもたちが喜ぶことは何か、何を伝えたいかを考えて勉強会を開いたり、反省会を開いたりするようになりました。たくましくなり、自覚を持って成長し、社会やユネスコを見る目が少し広がったと感じています。それがいま、高校生につながってきています。

武: 「いよいよ『学校とユ協の連携が始った』とわくわくを感じている」
いまの話はうらやましいです。私たちも1年後には市川市ユ協のようになれたらいいですね。ユネスコスクールを訪問してESDパスポートを呼びかけたところ、どの学校からも快い返事がきました。しかし、校長たちの気持ちはあっても、先生方の気持ちまではわからない。また子どもたちにどこまで趣旨が伝わっているのか、まだまだこれからだなあと感じています。これから、私たちのユネスコ協会が活性化していく兆しが見えたのが、今の段階としてはよかったです。この活動を通して、市川市ユ協のように、青年や学生など幅広い年代の人たちに参画してもらえる可能性が出てきました。

水上: 「子どもも先生もいきいきと学習に取り組んでいる」
私も授業にかなり入っています。まずは出前授業。そのときも先生と打ち合わせをしますが、先生が子どもたちに伝えたいことを、ものすごく熱く語られるんです。また、私がなぜユネスコ活動に取り組んでいるか、私の生き方まで伝えてほしいといわれます。出前授業は一方的に話をしますが、その1、2ヵ月後には公開授業があり、市内のユネスコスクールをはじめたくさんの学校の先生方が見にこられます。授業や指導計画については大学と連携しているので、大学生も授業を見にきます。それにともなって、子どもたちも本当に成長しています。それから、ユネスコスクールに認定されると認定証とプレートを渡しに行きますが、ある学校はそれを児童集会として、全校生徒と保護者にも呼びかけて贈呈式をやった。その際、こちらに説明する機会をくださいました。その学校は、翌年には総合学習で「ユネスコスクールとは」というテーマで学習しました。そういうふうに授業公開を通して、ESDやユネスコの活動は広く知られていっていると思います。

司会: 富山でESDパスポートに取り組んでいる小学校の先生にアンケートを行ったら、「ESDパスポートを取り入れてから、子どもたちは地域の活動に進んで参加しようとする意識が高まっている」と意見もありました。

水上 ESDパスポートを呼びかけたときは、どの学校も積極的でした。先生方も意欲的でしたし、先生も子どもたちも予想以上の活動をしてくれています。これがユネスコスクール以外にも広がればいいなと考えています。

坂口: 「子どもの目の輝きがかわる」
よかった点は、子どもの目の輝きが変わってきたことです。地域リソースとして、学校の授業作りのお手伝いと本物の提供をすること。子どもたちが本物にふれるたとき、その目はきらきら輝きます。箕面ユネスコ協会は持続可能な社会づくりの担い手を育む教育の推進のため、学校(ユネスコスクール)への支援活動を行っています。活動のコンセプトは「東日本大震災から学ぶ」「大切な命、生きること、命のことを考える。」「地域の課題や問題に気づき解決に取り組めるESDの学びを深める」です。
ユネスコスクールの加入校は増えていますが、今、質の問題が問われています。意欲のある先生がいなくなると、ユネスコスクールという看板だけになってしまう学校もあります。だから、そこを地域が支えることができないのか。ユネスコスクールへの効果的な支援を確かなものにしていくことをめざしています。
箕面ユ協はPTA出身者が多く、それぞれに得意分野を持っています。たまたま私は、実家が宮城県で親が被災しており、東日本大震災に関する支援を続けてきました。その経験を学校のリソースとして使ってもらうことです。授業作りの時点から、先生方としっかり打ち合わせをし、年間を通してどういった総合学習をするかも話し合います。地道に1校1校関わるうちに、先生方に口コミで広まり、他の学校から授業の支援の依頼が増えてきました。
これが、草の根の「根」を絶やさない広がり方だと思います。
トップダウンだと先生はやる気が上がらない。でも、授業に必要だと取り組んでくれます。ユネスコ協会のメンバーも、子どもたちの現場に入ることで元気になっていきます。

吉崎: いま坂口さんがおっしゃったのは、PTAが母体だから強いんです。本当に、PTAに広げるといいなという典型を教えてもらったような気がします。市川の場合、発足当初から校長会の中にユネスコ担当校長がいたのが大きかった。私が就任した当時、公立校は56校ありますが、書きそんじハガキの回収をお願いするのに、自転車で全校を回っていました。でも形にはならない。なにしろ時間がかかるのですが、最低限、回るという作業はしました。それでも、学校はカリキュラムがあるのでなかなか動きません。ただ、市川の場合は、ずいぶん前に外国籍の子どもが急に増えたことがあり、そのために「スクールライフin市川」というのをつくり、1年間の行事に合わせて10ヵ国語の翻訳をつけて生徒に渡す活動をしました。そして学校とも深く関わっていたつもりなのに、先生が変わると続かないんです。ただ、これをもとに千葉県版がつくられることにはなりました。
やがて、学校の補習授業のサポートを頼まれたことをきっかけに、青年にやってもらおうということになった。なるべく関わる人を多くしていったら、いまは高校生が喜んで関わってくれるようになり、夏休みの算数教室のお手伝いもしています。市川では、JICAの受託事業を5年間やりました。教育や環境、ITなどの分野で外国の方が25人くらい来られると、市内の学校を回って交流の土台をつくってもらいました。また、私たちの行事や絵画展、平和の鐘を鳴らそう、という活動では、必ず学校に呼びかけて関わりを絶やさないように努力しています。平和の鐘については、市川市は「夏休み体験ボランティア」を主催しています。ESDパスポートと同じようなものなので、市川の場合どういうふうにリンクしていこうかと悩んでいます。
私がユネスコスクール加盟のお願いに行ったときは、20校くらいピックアップしたのですが、学校側は臆していました。でも、どの学校もESDのことはやっています。だから、私たちは切り口を変えました。逆に「学校のやっているこのことが、実はESDにつながりますよ」というふうに学校目線でもっていこうと今年から始めています。生き生きした子どもを育てたいという意識は、学校もユネスコも一緒。地域ユネスコはつなげる役でいいかなと思っています。

水上: 先ほどから、学校で中心になる先生がいなくなると、ユネスコスクールが形骸化するという話が出ています。私たちの協会には教員の方が少ないので、研修会の場を設けて、学校の先生に来ていただき話をしてもらいます。そのときに校長先生は、毎回違う先生を派遣してくださるんです。だから同じ学校でも、先生方が育っています。どの人が来られてもちゃんと発表できます。がむしゃらにユネスコスクールを増やすのではなく、じっくりと先生方全体に理解していただき、質を高めていくことが大事なんですね。

武: しっかり総合学習をやっている学校では、なかなか入り込めません。むしろ、いい加減なところだと入り込みやすい部分があります。だから、学校の実態を理解しながらやっていく必要があります。私は教育長時代にふたつのことに留意していました。それは、地域とともにある学校ということと、地域教育経営ということです。中学校をひとつの単位とし、その学区内にある小学校をひとつのかたまりとして考えようと。そうなると、その学区ではたとえ校長先生が変わられても、方針はだいたい変わらないんです。それから、学校のミッションに対して、ESDパスポートを活用することがプラスに働くかどうかが大事。プラスになるようならぜひ導入してほしい、というふうに呼びかけています。うまくいっているところは、「ESDパスポート、待ってました」という感じです。例えば同じ学区の小学生が皆ESDパスポートを持ったら、その子たちは同じ中学校に進学してくる。そういう流れをいま期待しています。だから我々は、学校を理解しながら、学校とユ協の両方がwin winになることを模索していく必要があると感じています。

7_T20131227.jpg司会: 学校とユ協がwin winな関係で、というお話が出ました。学校との連携をとる上では、なかなか一筋縄では行かないと皆さん感じていらっしゃると思います。そこで、課題や工夫されていること、困難だった点、それに対してどうアプローチし克服してきたか、などを伺えますでしょうか。

吉崎: いちばん難しいのは、時間がかかるということです。そして、人ありきなので、いい出会いがあるといい拡がりがある。でも、なかなか継続しないから、継続システムをつくるしかないと思って、高校のボランティアクラブに入り込んでユネスコ活動に結びつけるといったことをしました。学校にも、ユネスコスクールについてわかりやすく書いたものを渡して、先生が転勤しても使えるように、今年からやろうとしています。きっかけがあれば、活動を始めたいと思う先生はけっこういるのではないでしょうか。そういう人の発掘が一番。それから、どんな機会もとらえて気長に続けたい。いまはコミュニティ活動が盛んなので、地域との連携はどの学校もやっています。そこにちょっと参加させてもらうとか、少しずつ、細いけどやり続ける。根気を待ち続ける。情熱をもった人は必ずいるので探し続けることです。

武: 岡山でもユネスコスクールは増えていますが、組織だってどうやっていけばよいか考えあぐねている学校もある。そういうところにESDパスポートを提案すると、いい意味できっかけができます。地域に支えられて子どもたちが育っていくと、やがて地域に頼りになる存在となり、子どもたちも学校もが落ち着いてくる。開かれた学校にするためのひとつのツールとして、ESDパスポートが役立つのではないかと思います。大勢の児童生徒が参加しそうので、経費の部分も問題になっています。そういう具体的なことを克服しながら、これから進めていきたいと思っています。

水上: 課題としては、ユネスコ協会としての課題の方が多くて...。学校に関わる人が少ないので、少数で回るしかないというのが課題です。ですから、ユネスコスクールを退職された校長先生に、ユ協に入っていただくようお願いをしているところです。でも、学校の方の態勢はしっかりできていて、大学との連携もできています。私たちはつなぐ役割ですね。ESDパスポートについても、学校によっては温度差がある。だから一度集まっていただいて、話しあう機会を持とうといま考えています。また、どこまでボランティアの範囲かという課題もありますね。このことについては、全体的に共通理解が得られれば、各協会も動きやすいのではないでしょうか。

坂口: アプローチに関してはあまり問題がありません。草の根的にいろんなことをさせてもらっています。ただし、校長先生や教育委員会の理解を得ていくのは大事だと思います。うちは会員40名のうち3分の1は現職の教員なんです。新しい組織なので、わりと柔軟です。うちの校区に「守る会」というのがあって、そこには青少年指導員や民生委員がいます。PTAの方は子どもが卒業すると、最終的には地域のそういうグループでまた活動をするメンバーが多いんです。そこが、授業に入り込みやすいポイントですね。ただ、銀行マンのメンバーもいて、金融教育の際には、その人に手伝ってもらっています。職業はさまざまですが、人と人とがつながっていけば会員になってくださる方はいると思います。別に学校の総合学習にだけ関わるのではなく、寄附するペンを集めたり、書きそんじハガキの活動をやってくれたりとか。もう少し新しい風を入れていく必要があるし、会員の活性化も必要。会員は、人生を積み上げてきた人もいらして、若い人がいて、学生がいて、というのがすごくいいなあと思う。

武: 現職の教員が会員になるのは、どういうやりがいを感じるのでしょうか。

坂口: 最初は私の人間関係で入ってくれました。かつて私がPTA会長だったころ、PTAの活動費でお茶会をしたり、消しゴムや鉛筆をあげるのではなくて、子どもたちが本物に触れることにお金を使っていこうと提案しました。例えば、介助犬にきてもらう費用にするとか。そうしたら、総合学習とタイアップしようと賛同してくださる先生が多かった。そういう活動が、あちこちに飛び火している状況です。そういうことから広がっていって、その後にユネスコ活動を知ったという順番です。退職した先生方に、ユネスコ協会に入っていただくのはものすごく有効だと思いますよ。

水上: ユネスコスクールに登録する働きかけは、まだまだできていません。
最初は教区委員会に相談し、寺子屋プロジェクトをやっていた学校にお願いしました。そのとき国内委員の方と私が行って、その場で先生方を集めて説明し、その後に私たち抜きで先生方が話し合われて、じゃあやろうという進め方でした。そういうち密な働きかけをして、1校1校先納得してもらったことで増えていったと思います。

武: 課題としては、学校の先生方に意義を理解していただき、先生が変わっても途絶えてしまわないように、どうやっていくかということですよね。それともうひとつ、限られたユ協の会員が呼びかけている状態なので、会員をどう増やしていくか。学校も会員もどちらもやりがいを感じてもらえるのが理想だと思います。

吉崎: 学校の教員だけでなく、企業で働いていた人も、ESD的観点から引っぱり出す、その機会を多くすることが大事。会長が会員ひとりひとりの特徴を見据えていく必要があります。参画意識を持たなければ人は動かないし、活性化もしません。

司会: 学校側が地域ユ協に期待するのはどういうことでしょうか?

水上: いろんな企業が子ども向けのプログラムをいっぱいつくっています。企業も県もやって、学校はアップアップなんですよ。そこにさらにユネスコ活動となるともう大変。だから、私たちにしかできないことは何かな、ということで、富山では寺子屋運動を核にして、全部の理事が学校を回って関係をつくっています。そうすると、子どもたちに説明してやってくれないか、と先生方からいわれるようになります。

坂口: 学校としていちばんほしいのは地域なんです。子どもたちは、地域の身近な人の話を聞いて感動し、自分たちもがんばろうと思うんです。先生が現場で求めるのは「地域の引き出し」なんです。

吉崎: 私は、ESDでいちばん必要なのは学校と地域とのリンクだと思っています。そのつなぎの道具としてESDパスポートを役立てていきたいです。

司会: 多岐にわたるご意見、ありがとうございました。ユネスコスクールとユ協の連携について、いくつかのヒントをいただけたのではないかと思っています。それでは最後に、この座談会をお読みのユネスコ会員の皆さまに、今後のユネスコスクールや学校との連携に向けて、ひと言メッセージやアドバイスをいただけますか。

吉崎: 「根気ある継続(人さがし!)」
18年ユネスコに関わってきたけれど、まだまだです。根気を持って人を探し続けて、ユネスコを楽しんで好きになる人を見つけることです。

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武: 「ESDが学校とユ協をつなぐ」
学校もユ協もESDという同じ思いでつながりを持っていければいいと思います。

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水上: 「まず行動!」
いま高齢化が問題になっていますが、まず行動して学校に理解をいただくことです。

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坂口: 「発想の転換! 大事です」
行き詰まったら、発想の転換をしていく。楽しくなければ長続きしません。

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司会: 力強いメッセージをいただきました。皆さまのご経験、ご提言が、今後、全国のユネスコ会員の日々の実践活動に生かされていくことと確信しております。本日は長時間にわたり、ありがとうございました。


profile
吉崎晴子(よしざき・はるこ)
市川市ユネスコ協会では事務局長を13年、副会長を4年務め、2013年から会長。千葉県ユネスコ協会連絡協議会理事、平和の文化東京ユネスコクラブ理事。国内委員のときユネスコスクールへの参加を積極的に呼びかけ、市川市内では現在7校が加盟している。

武 泰稔(たけ・やすとし)
1940年、岡山県生まれ。兵庫教育大学大学院修了。小中学校教諭、岡山県教育庁指導主事、小学校長、財団法人福武教育振興財団事務局長、矢掛町教育委員会教育長などを経て、現在は学校法人創志学園参与。岡山ユネスコ協会会長としてESDパスポートの普及に努めている。

水上庄子(みずかみ・しょうこ)
1947年、富山県生まれ。富山大学卒業。公立小学校長、富山県教育委員会教育委員などを経て、地域小・中学校の学校評議員。ユネスコ活動としては出前授業や授業参観をしながら学校との連携を図っている。富山県ユネスコ連絡協議会理事、富山ユネスコ協会副会長。

坂口 一美 (さかぐち ひとみ)
大阪市立大学大学院修士課終了。箕面市教育委員会教育委員、日本ユネスコ国内委員会委員、文部科学省子どもの徳育に関する懇談会委員、大阪府PTA協議会会長、日本PTA全国協議会常務理事などを経て現在PTAコラボネット大阪理事長、日本ユネコ協会連盟理事、箕面ユネスコ協会会長。

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