| 第33回ユネスコ総会の直前、今年の9月30日から10月2日まで総会の一貫として行われたユネスコユースフォーラムに参加しました。
このフォーラムはフランスパリにあるユネスコ本部で行われ、128カ国ユネスコ活動(実際はユネスコに関係していない方々や、政府関係者も大勢含まれるのですが)に従事するユース代表184人とオブザーバーとして参加のNGOに従事するユース45人の総勢229人が出席しました。各国の代表は最高で2名、日本からは私とユネスコアジア文化センター職員の鈴木薫さんが出席しました。
ユースフォーラムの目的は、若者のための事業を実施するだけでは十分でなく、若者自身が諸事業の企画立案の段階から主体的に加わることが重要という認識に基づき開催されています。またユネスコ活動に対してどのように青年が関わっていけるのか、踏み込んでいけるのか、ユネスコより提示されたテーマ「Young People and the Dialogue among Civilizations, Cultures and People」に関し勧告・戦略を含む具体的な提言を策定し、第33回総会に提出し発表することを目的としています。
初日には松浦晃一郎事務局長、ユネスコ総会議長(Mr. Michael Abiola Omolewa)、ユネスコ執行委員会議長(Mr. Hans-Heinrich Wrede)による開会の辞がありました。主な内容としては3つの具体的テーマが与えられ、それぞれテーマに沿った討議がワーキンググループを通して3日間にわたり活発に行い、最終的には1つの報告書として集約します。そして、フォーラム後にユネスコ総会へユース代表者3名が出席して各国の代表の前でフォーラムのレポートを発表しました。
進行は議長とラポラトゥール(書記)が取り仕切りました。
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↑ 全体での会議が行われたホールです。
国名が書かれたプレートがアルファベット順に並んでいて、その前に座ります。 |
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| ↑ アジア/パシフィックグループでの候補者選出の様子です。 |
| 全体を取り仕切る議長と書記となるラポラトゥールの選出をするにあたり、各地域(アジア/パシフィック、北米/ヨーロッパ、アフリカ、南米)から1名ずつの候補者を挙げ、各国1票による投票が行われました。これらは地域や性別を均等にするよう考慮が求められていました。休憩時間を挟んで各地域ごとに候補者を決め、全ての候補者が短いスピーチをして各国1票ずつ投票した。議長にはケニア代表(男性)、ラポラトゥールにはインドネシア代表(男性)、オランダ代表(女性)の3名が着任し、同様にワーキンググループでも議長1名とラポラトゥール2名が選出されました。 |
討議テーマは
[W.G.1]
All different, all unique : celebrating diversity through dialogue.
[W.G.2]
Safeguarding the future : Practising dialogue for sustainable development.
[W.G.3]
Leaning to live together : promoting dialogue for peace and reconciliation.
の3つで、私はワーキンググループ1に参加しました。
ワーキンググループ1では文化や考え方等の様々な違いについて話し合い、多様性(違い)を認める為に何ができるのか意見を出し合いました。主にプレゼンテーション(ICT,無形遺産、デジアート、mondialogo等)から討議が始まり、それを軸として各国代表が意見を述べるという形式でした。しかし、現実にはテーマに沿った内容ではなく各国の現状報告や活動報告にとどまり初日には具体的な話し合いは持てませんでした。2日目には具体的な提案をするように議長から要請があり、いくつかの案が挙がりました。その際、Ms. Maria Henriques Muellerから、今までにユネスコが考えた事がないような未来的で斬新なアイディアが必要である、且つ実現性のあるものでなければならない、と助言があり、新しいアイディアを生み出すことは何と難しいのかと思いつつ、多くの時間をかけグループ内で話し合いました。内容を詰めるため、提案の骨格と成るいくつかのアイディアをグループ全体で話し合う事はせず、その案に賛同する者が少人数でグループを作って話を進めました。その結果、各アイディアに対する目的や方法等の実現へ向けて詳細を決める事ができました。小グループで話し合った案は、ネット公開によるアーフェスティバル(絵画、デジタルアートや音楽等)、ユネスコ運営によるポータルサイトの開設、メディアを利用した文化の教育制度確立、各種助成金、奨学金等の教育補助や交換留学生の推奨が挙げられ、これらの案をワーキンググループ1の提案としてラポラトゥールがまとめました。
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| ↑ 小グループで話し合っている様子です。ガラス張りになっている所は、同時通訳室です。 |
3日目の午後からは全体討議に移り、始めに3つのワーキンググループ議長がワーキンググループの提案を紹介しました。その後、参加者全体による検討に移りましたが、単語の一つ一つに対しての意見や、自国の関わる諸事業を例として報告書に掲載することを求める代表者が多数出ました。進行状況に関わらず意見が出る為、ひと文節/段落ごとに各国1票の投票をして採決をとる形式をとることにして、非常に時間のかかる作業で予定の時間を大幅に延長してしまったのです。延長により通訳者の退席、同時通訳不能という事態をまねき、会議を英語のみで続けることを提案した議長に対してフランス語話者、スペイン語話者より反対意見や非難が殺到しました。またそれをきっかけにレポートが英語表記のみである事にも不満が出ました。一時混乱状態に陥り、英語とフランス語での会議続行が決定され、スペイン語話者の退席も相次ぎ会場内が騒然となったまま討議は続けられました。
最後に今後のユースフォーラムにむけて改善点を挙げました。継続的な参加者同士の交流、討議テーマのより多くの情報発信や討議時間の延長の要求、リサイクルペーパーの積極的使用(ユネスコから配られる書類が再生紙を使用していなかった為)を含む8項目の意見が出ました。これら全てを含めた報告書の承認を各国から得た後に予定の終了時間より2時間弱延長し、ユネスコ執行委員会議長の挨拶によりフォーラムは無事に終了しました。
フォーラム中の会議以外にも多くのイベントが開催され、1日目は参加者の親睦を深める為のカクテルパーティー、ユネスコ推奨の映画上映、2日目は多国籍メンバー構成バンドのライブコンサートが開催されました。最終日に予定されていたエッフェル塔ツアーは会議延長の為にキャンセルされてしまいましたが、会議中とは違い和やかな雰囲気の中で各国代表と交流する事ができました。
| 議長(ケニア代表)の提案により、希望する参加者のメールアドレスブックを作成し、全参加者に配られました。 |
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←カクテルパーティーにて、タイ代表の女性との写真です。 |
フォーラム終了後にはユネスコ日本政府代表部の方々の好意により、ユネスコ総会打ち合わせ兼食事会への参加やユネスコに本大使主催のレセプションパーティーにも招待して頂きました。レセプションパーティーではユネスコの職員の方々とも普段の業務についての話等を聞く事ができました。
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| ↑ ユネスコ日本政府代表部内の大使室で撮りました。ユネスコアジア文化センターの鈴木さんと、日本政府代表部の方々です。 |
↑ 日本政府代表部、佐藤ユネスコ大使です。(総会打合せ兼食事会にて) |
民間ユネスコ協会からの初ユースフォーラム参加者としての感想は、今まで日本国内でのユネスコ活動のみで他国のユネスコ活動の現状を全く知りませんでしたが、他国のユース代表者と話をして、国の代表という意識が強い事に非常に驚きました。各国政府や各国ユネスコ代表部からの報告書等を利用して積極的に自国の現状や活動の報告をしていた事にもビックリしました。しかし、代表という意識の強さが裏目に出て、皆が勝手に話したい事を話すという混乱状態をまねく原因となったのも事実です。会議自体を円滑に進める為には参加者が多くの知識や事前の準備をして均等に発言できるように配慮される必要があると思います。私は参加が決定するまでユネスコユースフォーラムの事を知らず、参加が決まってもなかなかフォーラムに関する情報が集まりませんでした。その為、非常に少ない知識で参加しなければいけなかったのです。ユネスコ本部から与えられるテーマインフォメーションやスケジュールだけでなく、事前に国内委員会とフォーラム経験者からのアドバイスやフォーラムに対する予備知識があれば、より積極的に日本の民間ユネスコ活動をもっとアピールできたのではないかと後悔をしています。今回の参は、大成功というよりも今後のフォーラム参加への第1歩であり問題点発見の参加となりました。
今後は日本国内だけではなく世界中のユネスコと円滑な情報交換が実現できれば、より広範囲で発展したユネスコ活動につながると思います。また今回の参加経験を元にして更なる参加意義を求め、今後のユースフォーラムへも未来のユネスコ活動を担う民間ユネスコ協会青年会員の参加を期待します。
名古屋ユネスコ協会青年部若鯱組
副代表 山下 郁代
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