戦争は人の心の中で生まれるものであるから、
人の心の中に平和のとりでを築かなければならない(UNESCO憲章前文より)
秋田ユネスコ協会
昨年度の主な活動
●ユネスコ世界寺子屋運動募金及び
          書き損じはがき回収キャンペーン

 1月29日(日)11時~15時、秋田駅東西通路ぽぽろ~どで書き損じはがき回収と募金活動を行いました。会員10人と横手城南高校生16人が交代で通行者に協力を呼びかけました。寒い一日で通行者も少なめでしたが、高校生の明るい大きな声に募金してくれる人もあり、会員も元気づけられ活動を終えることができました。

 
  皆様のご協力ありがとうございました。
           はがき回収枚数     2,204枚 (110,171円)
                          募金額       50,165円 
      
●第33回外国人による日本語スピーチコンテスト &
              世界と語ろう!ユネスコタイム

 
11月6日(日)秋田県生涯学習センターで恒例の標記事業を実施しました。
1部は「外国人による日本語スピーチコンテスト」、県内在住の外国出身の方々7カ国12名が日本語でスピーチしました。今回の参加者は、ベトナム3名、ネパール4名、その他は中国、モロッコ、ブルネイ、ドイツ、マレーシアが各1名でやや片寄りがみられました。
 日本語に関するすること、日本で暮らして思うこと、自国の観光や文化などについて、かなりしっかりした日本語で話されました。皆さん良く勉強しているなあと思いました。審査の結果、最優秀賞(秋田県知事賞)には「ひょうじゅん語と秋田弁」というテーマでスピーチされたグエン チー クオンさんが選ばれました。グエンさんはベトナム出身で株式会社中央機工(潟上市)でとびの仕事をしている技能実習生です。最初は職場の人たちが話す秋田弁が理解できなかったが、秋田弁を勉強し話してみると人間関係が良くなり仕事も楽しくなったと、秋田弁を交えて話されました。優秀賞(秋田市長賞)には同じくベトナム 出身で株式会社フレッシュダイナーで働くドー ティ ラン フェさんの「私の心をたすけてくれた人たち」、優秀賞(秋田県教育長賞)にはマレーシア出身の秋田工業高等専門学校生のヌル アキラ フスナ ビンティ モハマド ヤジドさんの「夜が明ける」が選ばれました。

スピーチコンテストの発表一覧
  賞        スポンサー       名  前 
       
出身国  所属     
    テーマ      
最優秀賞 秋田県知事  グエン チー クオン  
  ベトナム (株)秋田中央機工
ひょうじゅん語と秋田弁
優秀賞 秋田市長 ドー ティ ラン フェ
 
ベトナム (株)フレッシュダイナー実習生
私の心をたすけてくれた人たち
優秀賞 秋田県教育長  ヌル アキラ フスナ ビンティ
  モハマド ヤジド
 マレーシア 秋田工業高専 
 
夜が明ける
奨励賞 (株)秋田銀行 アダム ダルウィッシュ ビン
    アフィアト
  ブルネイ  秋田工業高専
あたり前があたり前ではない 
  (株)秋田魁新報社 グェン ティ マイ アン
  ベトナム  秋田日本語学院
思い出
  青年海外協力隊秋田県OB会 ネウパネ ラジャン
  ネパール  秋田日本語学院
ネパールの文化
  秋田ゾンタクラブ コルシ ハナン
  モロッコ  秋田大学理工学部
同じ空の下で
  国際ソロプチミスト秋田 ジョシ ジャスミン
 ネパール  (株)パブリックプランニング
日本と運命の出会い
  秋田県日中友好協会女性委員会 呉 雲漢
  中国  秋田大学理工学部
遠くから地球をカエリみる
  秋田日米協会 阿部 ラスミン
  ネパール  国際教養大学図書館
秋田に来てよかった
  秋田日独協会 リンデ セリナ
  ドイツ   国際教養大学 
私が大好きな音楽とゲーム
  秋田モンゴル友好協会 ラナ ブッダ バハドゥル 
  ネパール  秋田日本語学院
ネパールの観光

2部「世界と語ろう! ユネスコタイム」では、スピーカーと会場の参加者たちが、スピーチのこと、出身国のことなどについて話し合いました。

    
    
華やかな民族衣装で登場
       優秀賞(秋田県教育長賞)のヌルさん

    
 
優秀賞(秋田市長賞)のドーティさん
   最優秀賞(秋田県知事賞)のグエンさん


             
晴れやかな笑顔のスピーカーの皆さん


平和の鐘を鳴らし、心に平和の砦を築こう

 終戦の日、戦争の愚かさを学び、世界平和を祈りながら、皆で平和の鐘を鳴らし、心に平和 の砦を築くという趣旨で、8月15日(月)秋田市千秋公園で「時鐘」千秋の鐘を鳴らした。参加者は高校生会員2人と留学生1人を含めて11人。参加者と同じ位マスコミ関係者がいてびっくり。
 最初に小林会長が「世界情勢が不安定な今だからこそ声を上げ、戦争の記憶を次世代につないでいかなければならない」と挨拶、続いてモザンビーク出身で秋田大学大学院理工学研究科の博士課程で研究するドルカス・リンダ・エルネスト・ウアシケテさんが、「自分の国もかつて戦争があり、祖父母や両親から戦争で日常生活が奪われる悲惨さを伝え聞いてきました。
しかし私は世界は人種、宗教、ジェンダーの違いを越えて共存できるという希望を持っています。」と平和へのメッセージを述べた。高校性たちも、平和を守る大切さを
じていると述べた。
 正午に会長の撞く鐘の音を合図に全員で黙祷、その後一人一人が平和を祈りながら鐘を鳴らした
。鐘の音に心が清められるような思いがした。高校生の篠村さんは、「鐘の重みに平和の重みを感じた。」と感想を話していた。雨続きの日々でこの日も不安だったが、なんとか持ちこたえてくれて、無事終了することができ

          
 
高校生のためのユネスコ国際理解ユースセミナー  高校生がとりくむ持続可能な社会づくり ~高校生による秋田の農業への提案から考える~ 
 
 7月23日(土)秋田市にぎわい交流館AU研修室で
、標記ユースセミナーを開催した。参加者は県内の高校生23人。最初に秋田南高校の6人が「秋田の農業を未来へ」と題して研究成果を発表した。秋田の農業の問題点を挙げ、農業を未来に繋ぐための解決策を提案する意欲的なものであった。この発表をもとに、グループに分かれて各班で最も関心のあるテーマを設定して農業の解決策について話し合いをした。農業従事者、後継者の確保、食の問題などに、具体的な解決策が出された。高校生にとって農業はそれほど身近かではなかったかもしれないが、今回のセミナーを通して、もっと農業に関心を持ち続ける必要があると感じたようであった。

                               
               グループに分かれて話し合い
                                       

ユネスコ国際理解講演会コスタリカから学ぶ生物多様性と平和
            
驚異的な自然と平和のつながり
 
4且24日(日)総会に先だってユネスコ国際理解講演会を開催した。講師は菊地格夫氏(元JICA専門家)、中央アメリカ南部に位置するコスタリカで延べ7年間活動してきた。2013~2018年には、コスタリカ最大の野生生物保護区で、モデル農家育成などを行う「参加型生物多様性保全推進プロジェクト」に携わった。コスタリカは面積が日本の1/7だが、国土の1/4超を国立公園、自然保護区が占める自然豊かな国で、地球上の生物種の5%が生息、エコツーリズム発祥の国であるという。起伏に富んだ地形や見たことのない色鮮やかな鳥などの映像を見ながら菊地氏の解説に耳を傾けた。コスタリカのすばらしさはこれに留まらない。永世中立国を宣言し、軍隊を持たず国家予算を教育や環境分野に充てているという。なぜそれが可能なのか。菊地氏は、平和を維持するためには、戦争を起こさない、戦争に巻き込まれないことが重要で、それには周辺国との国防費のバランス、民主主義国家であること、安全保障に関する同盟国を持っているかなどをみなければならないと指摘した。コスタリカはいろいろ課題はありながらも、1949年以来軍隊を持たずその経費を教育と環境保護に充て平和を維持しているという。日本はどうなのか、周辺国を見渡して平和を維持していけるのかなど考えさせられた。コスタリカは日本からは離れており、あまり情報を得ることがなかったが、今日の講座は環境や平和について改めて考え学ぶところが多く、閉会間際まで参加者から多くの質問が寄せられた。

2022年度通常総会
 
総会は4月24日(日)3時30分から、国際理解講演会に続いてアトリオン7階ハーモニープラザ研修室で開催された。1月からコロナの感染が急激に拡大し収まる気配はないが、コロナに慣れたのか恐怖感とか緊迫感のようなものはなくなってきている。
 小林会長は開会のあいさつでロシアのウクライナ侵攻にふれ、戦争がいつ終わるか見通せない、全世界の平和がいつ訪れるかわからない危機的状況の中で、ユネスコ活動を続けていく意義について述べられた。続いて
、御来賓の中田県生涯学習課長と奈良学芸主事が紹介された。課長はウクライナの戦争を憂慮されてユネスコ憲章を広めることの大切さを強調されるとともに、持続可能な社会の創り手を育む教育の大切さ、4月に制定された「秋田県多様性に満ちた社会創り条例」の理念を広げることの必要性について述べられ、秋田ユ協の活動に期待していると述べられた。
 次に菅原顧問を議長に選出し議事に
入った。2021年度事業、決算報告並びに会計監査報告、2022年度事業、予算について審議し、原案通り可決。次に会費に関する細則、秋田ユネスコ基金の取り扱い要領の改正について会長から説明がなされた。規則としての形式を整えるもので、規約類の整備が昨年度に続いて行われた。
続いて役員改選について審議、会長、副会長は継続して担当して頂くことに、理事、監事については一部変更があったが、事務局提案通り可決された。最近高校生など若い会員が増え今総会にも出席したので、一人ひとりから抱負など話して頂いた。例年になく期待を抱かせる明るい総会となった。