ペルー便り

あ!満開!の時期

「砂漠が緑に染まる時期が始まるよ~」と教えてくれる、砂漠に咲く花、アマンカイ。ペルー人に「どんな花か知っていますか?」と聞いたら、リマに住む人はたいてい「チャブカ・グランダの歌に出てくる花ね」と答えるが、実際にその花を見たり、何色でどのようアマンカイの花に咲くかを知っていたりするペルー人はかなり少ない。

アマンカイはペルー西海岸の砂漠 に生息する黄色い花で、一見ユリのように見えるがヒガンバナ科、ペルーの貴重な固有種の一つだ。

雨の降らない砂漠地帯で花が咲くって、なんだか不思議な感じがしないだろうか。実は、南半球が冬となる6月から11月にかけて起こる不思議な現象が、この事態を引き起こしている。南アメリカ大陸西側の海には南極から北上する冷たい フンボルト海流があり、それによって冷やされた空気が大陸にもたらされ、壁の役割をする小さな砂丘にあたることで周辺に滞留し、海霧が発生する。その海霧がもたらす水分が植物たちの芽吹きを助け、砂漠の丘が緑色に染まるのだ。トップバッターで咲き始めるアマンカイだが、花を付けている期間は1週間程度と短い。その後は時期をずらして多種多様の花が色づく。この現象は、今ではペルー、チリ、南アフリカ、西オーストラリアの四カ国でしか見ることができない。

インカ時代の土器や聖なる木製のコップ にも描かれているアマンカイ。ペルーの砂漠にはかつてこのような緑の砂丘が幅広く分布していたが、人間の生活範囲が拡大し、今ではパッチワークのように小さく点在するのみとなっている。しかし数年前から政府のサポートなどのおかげでアマンカイ生息地付近に住む村人たちがアマンカイや砂漠の花園の価値を理解するようになり、観光を通じて保護活動を行う地域が生まれてきている。以前のように北から南までアマンカイが咲き誇る環境を取り戻すことは、夢ではないのかもしれない 。 (太田 さやか)

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