第30回定例総会・創立30周年記念の集い・懇親会

鎌倉パークホテル

第30回定例総会、それに続けての創立30周年記念の集いと懇親会が、6月3日(日)13:00〜18:00に鎌倉パークホテルで開催された。総合司会は長嶋裕子理事が担当した。

第1部「第30回定例総会」

先ず佐藤美智子会長が開会の挨拶をされた。要旨は、平山郁夫前会長に代わって早8年、その間理事、会員そして周囲の皆さんの力でここまで発展してきた。20周年座談会(記念誌)を拝読してつくづく先人の皆さんのご努力に感謝する。このうち3人が鬼籍に入り残念だが、今年30周年を記念し新しい出発となるようお互いに努力しましょう。
続いて来賓として小礒一彦鎌倉市副市長が、ご自身の国際交流分野での当協会との深い関わりを振り返られると共に、当協会が創立30周年を迎えたことを祝ってくださった松尾 崇市長のメッセージを代読された。さらに本日の供花の説明があり栗村淑香会員がテーマを「梅雨の晴れ間」と披露された。続いて本総会の議長として小倉寛子理事が選出され、いよいよ議事の進行。
第1議案は2017年度事業報告、第2議案は2017年度決算報告、そのいずれも石田理事長が説明し2017度会計監査報告は、信國監事が行った。これらの報告は異議なく満場の拍手で承認された。続いて第3議案2018年度事業計画(案)ならびに第4議案2018年度予算(案)を同じく石田理事長が説明したことに対し、質疑もなく第3議案・第4議案も満場の拍手で採決された。続いて第5議案補充理事選任で、昨年7月に逝去された鴇澤武彦理事および体調不良のため辞任を申し出られた広瀬光世理事の退任に伴い理事会から推薦されていた小島政行、富原昌子両氏が補充理事として選任された。
今年度のシルバー賞(入会20年)該当者11名とブロンズ賞(入会10年)該当者3名に対しては、当総会出席の該当者3名に佐藤会長よりシルバー賞が授与された。続いて、30周年に当たり当総会に出席された法人賛助会員の代表者9名に対し、佐藤会長より感謝状と記念品が贈呈された。最後に当総会出席の2017年度新入会員(3個人、1法人)を各席上で紹介した後、第1部の閉会挨拶を小川副理事長が行なった。

第2部「創立30周年記念の集い」

休憩15分を挟んでの第2部は、最初に「来し方」として、参加者全員に配られていた創立20周年記念誌掲載の「歴代理事長座談会」別刷りに基づき、尾花副理事長が、当協会設立の立役者である渡利晴夫初代理事長と森井曠雄第5代・第7代理事長および丸山泰世第6代理事長、ならびに今はご存命でない菅原幸助第2代理事長、及川信夫第3代理事長および鴇澤武彦第4代理事長について、今年創立30周年を迎えることができることにつながったご貢献を紹介してそれぞれに謝意を表された。

続いて、創立30周年を越えて「個人の変容(ESD)による社会の変容(SDGs)」を目指すとする新たなビジョンに向けて、石田理事長の司会の下で佐藤真久・東京都市大学教授による基調講演ならびに佐藤会長を含む4人の会員によるトークセッションを持った。
「個人の変容と社会の変容の学びの連関」をタイトルとされた佐藤教授の基調講演(要旨参照)に続いて、最初の会員のトークは横浜国立大学大学院国際社会科学研究院小池 治教授。同大学の地域課題実習では16のプロジェクトが色々と地道な地域課題の解決に取り組んでいることや、横浜の大学、NGOで構成されるESD推進ネットワークである国連大学推進RCE横浜では、横浜市内28大学 の学生による自発的な環境活動成果発表会を毎年開催していることなどを紹介された。

本岡俊郎理事は、現在はNPO法人神奈川フードバンクプラスの理事長であるなど、フードバンク活動に10年近く携わってきた立場から、日本ではまだ食べられるのに実際に生活困窮者に配っている食品はその0.1%程度に過ぎないと、つくる側、つかう側が共にフードロス削減に向けて真剣に向き合う必要があると指摘された。小島政行理事は、NPO法人プラスチックフリージャパン理事長である立場から、消費者一人ひとりがプラスチック製のペットボトルレジ袋、ストロー、コーヒーカップを出来るだけ使わないように心がけるだけで、海をプラスチックで汚さないことになって魚を食べる子どもの健やかな成長につながる、というアピールに努めていると述べられた。
最後に佐藤会長から、佐藤教授の基調講演に続けてこれらのトークを聞かせていただいた。環境などを配慮した身近にやれることからやればそれがSDGsやESDに結びつくこと(Think Globally, Act Locally)、ならびにSDGs達成には結局は一人ひとりのSDGsを目指す「個人の変容」のための教育、ESDが鍵になることを学び、当協会が30周年を越えてSDGsのためのESDに重点を置く方向を打ち出したことを嬉しく思う、と述べられてトークセッションを締めくくられた。

第3部「懇親会」

第2部の高揚が冷めやらない中で始まった懇親会は、石渡好行氏(法人会員)によるマジックショウと理事一同をバックとしての佐藤会長の挨拶で幕を開けた。乾杯を渡利初代理事長が音頭をとって後、食事しながらの和やかな懇談の時となった。懇親会だけに出席された法人賛助会員への感謝状贈呈式に続き、出席の新入会員からの楽しいご挨拶が次々とあって、名残が尽きないうちに懇親会はお開きの時間になった。ここに創立30周年記念総会のすべてが成功裡に終了した。(光永、石田)








基調講演:佐藤真久教授講演要旨

20世紀後半の世界の人口の増加と経済活動の拡大の大加速化が極端な所得格差から気候変動、環境破壊まで人類存続の危機につながる問題を引き起こしている。それらの問題はグローバルに複雑な相互依存の関係にあるとの認識に至って、遂に2015年9月に国連で加盟193カ国の全会一致でSDGs (Sustainable Development Goals:持続可能開発目標)が採択され、「誰一人取り残さない」とするそれらの17ゴールを2030年までに達成することで「社会の変革」を目指す合意がなされた。一方で、SDGsはそのような「社会の変革」を実現するために世界の市民一人ひとりが、それらのゴールを目指すように変わること、すなわち「個人の変革」を求めている。そのような「個人の変革」に向けては、国連ではUNESCOを主導機関とするESD(Education for Sustainable Development:持続可能開発のための教育)として、SDGsが採択された時よりも前、2005年から「ESDの10年」として国際的に取り組まれてきた。しかし、SDGs が合意されるまではESD教育の対象とする持続可能開発なるものは抽象的で、各人各様の面があった。SDGs の登場で、右図のようにESDを深化できるようになったと考えられる。対象とする課題は17ゴールとして明確になったと同時に、それらのゴールは単独でなく互いに関連づけて統合的に検討することを要請され、当初は地域のローカルな課題であってもグローバルな文脈化が不可欠であり、それを多角的な意味づけの下で批判的に捉え直し、最終的には一人ひとりの個人の変容の結果として組織、社会の変容に至るのである。(石田)


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