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SDGsと鎌倉ユネスコ協会

はじめに

2015年9月、国連において「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、17の目標(SDGs)と169のターゲットが採択された。SDGsは21世紀の平和憲章ともいえる。SDGsが掲げる17の目標を理解し、その達成に向けて尽力することは、世界の各国の、国民の一人一人の責務と考えられる。地域から世界に「平和の心」を広げる活動を続けて来た、当協会にとって看過できないテーマであり、「持続可能な社会に寄与することを目的とする」としてNPO法人化した鎌倉ユネスコ協会にとってSDGsは最大のテーマといえる。ここでは、私たちユネスコ活動をするものがどういった視点からSDGsに取り組むべきかを考えてみたい。なお、文中ではUNESCOは国連の機関としての組織を、ユネスコは民間運動としての組織を表している。

UNESCO=文化

SDGsの目指す「持続可能な開発のための17の目標」は、「経済」「社会」そして「環境」の3つの側面に分類することができ、その3つ(経済・社会・環境)を使って「持続可能」が論じられることが多い。いわく、“持続可能な発展とは「経済的発展」を「社会的公正」と「環境的調和」の下にガバナンスすること”しかし、この3つの要素で語る「持続可能な発展」では、SDGsの最終目標である「平和」の達成が難しく、4つ目の要素として「文化」、そして「文化的多様性」が必要であることは、過去の歴史が文化を無視し続けて来たことにより、真の平和が達成できなかったアンチテーゼとして理解でき、また、UNESCOの主張するところでもある。まさにUNESCOのC(Culture)はSDGsの中心に位置する。

鎌倉ユネスコ協会の実績

UNESCOとしてSDGsに取組み、そのゴールの実現を目指すには、実働部隊としてSDGs、あるいはSDGs教育を行う民間ユネスコ協会が、その体質として文化的多様性に順応できることが望ましい。鎌倉ユネスコ協会は、文化遺産、寺子屋、ユースなど多くの文化的支援活動を行い、また外国料理教室・民族衣装試着体験・留学生交流会を通して積極的に国際理解を進めており、メンバーにおいて既に文化的多様性の受け入れ準備がある。鎌倉ユネスコ協会こそが、文化的多様性へのレディネス(素地)をもって、国内のユネスコ協会の先頭に立って、SDGsを進めるスタート地点に立っているといえる。
鎌倉ユネスコ協会には、もう一つの実績がある。科学環境に対する取組みであり、環境問題にその強みを発揮できる。NPO協働SDGsが提示する社会課題は、便宜のために17に分かれてはいるが、多くのつながりを持つ「複雑な問題」といえる。複雑な問題の解決と複雑な問題へ強靭に対応できる社会システムへの変革には、多くの人たち、NPOがその課題解決変革の思いを持ち寄ることが必須である。鎌倉ユネスコ協会内部には、多方面で活躍するNGO、NPOメンバーが散見できるだけでなくネットワーキングの力も蓄えられており、自らが主体となり鎌倉のNPO達との協働を進めることができる。

教育に新時代を迎える

最後に、ユネスコはその教育機関としてSDGs目標4、高度な教育を支援するだけでなく、自らがSDGsの教育を担うことが期待されている。ESDとSDGsの関係は、「ESDを個人的な変革、SDGsを社会的な変革」、「SDGsは目標ESDは手段」あるいは「ESDは人材育成SDGsは社会変革促進」といえる。いずれにしろ、SDGsの中心には目標4(高度な教育)がある。次のようにSDGsアイコンを並べなおすと、ユネスコの立ち位置が明確になる。

終わりに

鎌倉ユネスコ協会はその創設から31年目の節目を迎える。市民に向かって「変容」「変革」が起こるように、SDGsのラーニング環境の実現に努力したい。(小島政行)


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