識字・世界遺産保全公開講座

テーマ:ネパールスタディーツアー報告

2004年度第16回定例総会の終了後、公開講座は開催されました。
司会は山田雅子理事。団長を務めた森井理事長が「今回のツアーは恵まれていてスケジュールどおり全員無事に帰国できたこと、メンバーの方達が良い経験をしたと言ってくださることが何よりうれしい」と挨拶しました。ファイン荒井さん
ゲストスピーカー ファイン荒井千香子(日ユ協連事務局員)さんの記念講演の題名は「ネパールの識字教育」。
世界の非識字者たち世界には8億6千万人の非識字者が います。そのうち6割の人がアジアに住んでいます。学校に通えない子 供達は1億400万人。東アジア 日本も含めて識字率は86%と高い比率を示していますが、南西アジアインドやネパールを含む地域は55%と低い。
ここには実に世界の非識字者の半分が住んでいるのです。

ネパールの現状

小学校の入学率は67%。小学校に行っている子供の35%が中退します。女性の先生の数が問題です。4人に1人しか女の先生はいないのです。特に女の先生のところでないと女の子は通わないという社会的習慣があるから。それで非識字率は男性40%、女性は76%、全体で58%と低いのです。ネパールは山岳地帯、盆地、平野と、三つにわけられますが、ヒマラヤ山脈を中心とする山岳地帯とインドとの国境をもつ平野の所が識字率は低い。 1990年から「全ての人に教育を」の方針で、2003年から「国連識字の10年」の強化キャンペーンを実施、すべての子供達が学校にいけるように特に女性の識字率向上の目標を掲げて取り組んでいるのです。
ネパール王国とは 首都はカトマンズ、人口は2千3百万人、人口増加率2.4%、世界唯一のヒンドゥ教が国教(86%)の多民族国家、政治体制は、一応立憲君主制、GNP1人当たり248ドル(世界ランクでは下から12番目)。

ルンビニ(釈迦の生誕地)はどんなところか

多民族で地域の方言が多くネパール語をはなせない人がいます。大部分は農業で暮らしています。子供は労働力として働き、幼児婚約が多く13歳以前に退学させられることが多い。小学校入学者63%が中退し、卒業率37%。寺子屋で何を学ぶか 学校に行けない子供の識字教育(OSP)は読み書き計算、社会、保健・衛生などを教えています。9ヶ月ここで学ぶと小学校3年生に編入でき、さらに9ヶ月(OSPⅡ)学ぶと小学校5年生に編入できます。寺子屋で少し勉強するだけで自信を持つことが出来る、これは大きな効果です。女性達は勉強するだけでは駄目で、経済的に自立できる農業研修、職業研修などもおこなっています。野菜栽培を学び市場で野菜や蜂蜜を売る例もありました。

寺子屋を建てる

日ユの計画では6つの寺子屋建設ですが、いまは2つ完成しています。住民の人たちに協力していただき、日本の16ユ協の募金で建てることが出来ました。これから管理し、運営していくのは住民の人たちです。

寺子屋運動の大切な柱は?

国際交流と相互理解です。村の人達は自分たちの成果を評価してもらえる喜び、それが自分達への自信につながり、活動へのやる気が出てきました。
最後に鎌倉ユネスコのメンバーが開所式に出席したときの歓迎の唄です。
日本から友人が来た/友人は寺子屋を建てるのを励ましてくれた/寺子屋では文字や、生活に役立ついろいろな技術を教えてもらえる/私達は気づかされた/学校に行けない子供達も勉強できるのだ/今日は、寺子屋の開所式/寺子屋は友人の援助で建てられ、土地は村が用意してくれた/私達は野菜を育て、養蜂ができる/本当に助かった/今日は本当に嬉しい/友人にはもっと頻繁に村に来てもらいたい/だって来る度に必ず村が良くなっていくから来てくれて支援してくれてありがとう
記念講演が終わり、コーディネーターは尾花珠樹理事に。スタディツアーについて記念講演の講師荒井さんの言葉として紹介されました。


「このチームは前代未聞のチームであったと、1つの協会で20名のツアーを実施するということは前代未聞。準備が周到であったこと。チームワークが良かったこと。各自が役割分担をしたこと。日誌は必ず書いたこと」など。 続いてスクリーンに大写しになった写真を見ながら、参加者の中の代表の方が報告・感想を述べられましたが、その中で特に印象深い話を拾ってご報告いたしします。 山田稔さん:ホテル・エベレストビューは、世界一高い位置にあるホテルで鎌倉と姉妹都市の上田市出身の宮原巍氏が建てたホテル。人類初の登頂は1953年5月29日。エリザベス女王戴冠式の前日にヒラリー卿とテンジンの成功が届いた。日本人では植村直巳さんが1970年、女性では田部井淳子さんが世界初で1975年5月16日、まさに今日の日付に登頂したことでした。永見俊子さん:「ネパールの男性はなぜ働かないのか?」という質問をぶつけてみたら答えは、「男達は考えているのだ」と。これで場内は爆笑につつまれました。

鎌倉ユネスコの活動

お問い合わせ

ご入会方法

賛助法人会員

会員専用

プレス情報

Home