ペルー便り

国々をつなぐ古道

今年の6月にラテンアメリカにとって素晴らしい発表があった。
なんと、南米の6つの国が共有しているアンデス道路網「カパック・ニャン」がユネスコの世界遺産として登録されたのだ。国々をつなぐ古道
南米西側の北から南、コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチンにまたがっているそのルートは、ティアワナコ時代やワリ時代(インカ時代以前)に作られ、その後インカ時代にさらに拡大し、2000年もの年月をかけて築き上げられてきた歴史を持つ。

「カパック・ニャン」は南北およそ5,200キロ、全ルートをつなぎ合わせると30,000キロ以上ある。(現在、失われている部分もあるが、当時は60,000キロあったという説も!)。
南北海岸線のルートとアンデス山脈を通る二つのメインルートがあり、インカ時代以前は一般庶民が利用していたが、インカ時代は政治・軍事的に使用され、クスコへ食糧を運ぶ人や情報伝達の飛脚(チャスキ)が利用した重要なルートであった。
我々の祖先が頑張って作ったルートはいまだ健在で、現地の人々が今日も利用している。

また世界遺産条約が設立してから40年の歴史の中で、6つの国を含む世界遺産の登録例は初めてだということが、さらなる注目を浴びることにつながっている。

「カパック・ニャン」は現地の言葉ケチュア語で「インカ道」という意味。インカ道といえば、マチュピチュ遺跡まで行く43キロの3泊4日トレッキングが有名ではあるが、本来はインカ時代に使用していた全ルートのことを指す。
祖先の人々が残してくれた遺産「カパック・ニャン」は、南米の各国をつなぐ大きなきっかけとなっている。
同時に現在の人々が過去、現在、未来に対する意識を高めるルートでもあってほしい。

※参考:ペルーには今は12カ所の世界遺産があります。その中でも有名なのはマチュピチュ歴史保護区、クスコ市街、ナスカの地上絵、ワスカラン国立公園やリマ歴史地区である。   (太田清可)

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