ユネスコサロン

グローバル時代だからこそ考えたい出る杭を伸ばす教育と子育て

教育ジャーナリスト中曽根陽子氏を迎えて10月4日(土)午後2時からカトリック雪ノ下教会において、表題のユネスコサロンが開かれた。出席者40名。
自己紹介
講師は「教育者でもなければ、学者でもありません。2人の女の子を育てユネスコサロン講師中曽根陽子氏た母親です。これまでの仕事と海外の教育を視察してきて感じた事を中心にお話します」と述べました。実績はホームページYoko Nakasone Official Websiteをご覧ください。

今はどんな時代?
キーワードはグローバル。グローバルとインターナショナル(国際化)という言葉との違いは、グローバルとは、国の概念がなくなる、地球という視点を持った世界観と述べた。
日本の教育にも変化の兆し!?
現在、教育改革が進められているが、改革の目的は何かと言いますと、「グローバルな人材の育成」。
重点項目は①英語教育改革 使える英語力 ②イノベーションを生む理数教育 ③国家戦略としてICT教育 を挙げ、国が初めに手を付けたのが「大学」。日本では一番といわれる東京大学。世界の大学ランキングの中で23位、京都大は52位の2校だけ。
今の小学1年生が大学を受けるころには、入試が変わることが決まりました。入試に達成度テストや英語力にはTOEFLの活用、国際バカロレアのスコアも認定するというような試みが行われます。大学は、今の有名受験校有利の壁を破り、いろいろなタイプの学生が欲しい。その狙いは、イノベーションを起こして、新産業を創出とか、世界との競争力を高めたいといことですが、逆に現実はどうなっているかというと、中学校では、37名に1名は不登校生がいる。どうしてこうなるのか、学校に対する考え方、受験のための勉強、これまでの親の時代の価値観が子供たちを縛っているのではないかと思います。未来はどうか。コンピュータやロボットがもっと進化する社会です。知識は調べればわかることですが、自分の考えか、コンピュータの考えか、その境が混然として、そこを整理選択する別な能力が必要になるかもしれません。
デンマークの教育
国民の幸福度世界一の国、デンマークにはソフトランディングの仕組みと対話の歴史があると「原発」の例を挙げられた。国が一度決めた方針をもう一度検討して原発を不採用にしたこと。
教育の目標は自立した納税者を育てる事、だそうです。デンマークは社会福祉が進んだ国で、消費税25%です。所得税50%で所得の半分です。一方教育費、社会福祉費は無料で、セーフティネットがしっかりしている。小学校入学半年前ぐらいから集団生活に慣れさせ、発達段階に合わせた教育を行い1学年でも3歳ぐらいの差があるのが当然。能力に合わせて進める。また社会に出ていく進路も自分で決めるようになり落ちこぼれは生まれない仕組みがある

オランダの教育
子どもの幸福度世界一の国。教育の目的は未来を見据えて、いま必要なことをする。と伺いました。
オランダの教育の特徴は、教育の自由を国が保証していること。
1.「自分たちで学校を設立する自由」生徒を集めれば開校できる。
2.「理念の自由」。いろいろな宗教、様々な教育を認めている。
3.「方法の自由」。国の教育目標を達成できれば、教育内容、教材の裁量権自由。
方針を見るとオランダには、50か国以上の移民が住んでいるので、最初から対立があることが前提です。だから、シチズンシップ教育。「多様性」を学び、違いを認め合うという「共生」を学ぶようになっています。

私たち大人は何をするのか
子供が自分で考える力を育てるために、大人ができることはなにか。まずやらせてみる。一緒に考える。道具を使ってでも覚えさせる。そして基本的には自分で取得させる。最後に「未来を創る鍵は、子供たちの手の中にある。よい社会を望むなら良い子供時代が必要」というデンマークの森の幼稚園の園長の言葉を紹介された。そして、「子供は社会からの預かり物、個人の能力を最大限に発揮して、社会の中で生きていけるようにすることが、教育の目的では。そのために皆さんは何をしますか・・・」という言葉で締めくくりました。
最後に、講師が取り組んでいるフューチャーセッションとマザー・クエストについて説明してサロンを終了しました。 (鴇澤)

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