日光の植物


     
  1. 日光の森林

    日光の森林をエリアごとに紹介します。

       
    • 日光市街
      日光市街周辺は杉を中心とした植林が多く、日光街道の杉並木は有名です。
      日光山内には杉の古木が多数あります。
      花石町の日光植物園では、四季それぞれに花木が楽しめます。

       

    • 霧降高原
      霧降滝周辺は、コナラやミズナラの林におおわれ、ヤマツツジの群落が見られます。
      霧降高原の丸山からキスゲ平周辺は、ニッコウキスゲで有名。
      また、六方沢橋周辺の、新緑、紅葉は見事です。

       

    • 奥日光の天然林
      奥日光では標高に応じて天然林が分布しています。標高800mから1600mの山地帯はミズナラ・ブナ・ウラジロモミなどの落葉広葉樹林が、標高1600mから2300mの亜高山帯はコメツガ・シラビソ・ダケカンバなどの常緑針葉樹林が、標高2300mが森林限界となりこの高山帯にはミヤマハンノキ・ハイマツ・草本などが分布しています。
      奥日光の代表的な落葉広葉樹林はミズナラで広い範囲で見られますが、東北地方に見られるようなブナの大規模な林はありません。
      男体山・白根山などの山岳では、コメツガ・シラビソ・オオシラビソ・トウヒ・ダケカンバなどの原生林が多く、また、高山帯には背の低いオオシラビソ・ダケカンバ・ミヤマハンノキなどが生育しますが、ハイマツは女峰山周辺以外はほとんど見られません。
      中禅寺湖・戦場ヶ原周辺には、ミズナラ・ブナを主体とする天然林が多く、シラカンバや植林されたカラマツも見られます。
      光徳周辺には、ミズナラ・ハルニレ・シラカンバが多く、ミズナラの大木も多数生育しています。
      中禅寺湖南岸・男体山南麓・いろは坂周辺には、奥日光では少ないブナ林が見られます。
      千手ヶ浜・湯元周辺にはハルニレが多く生育しています。
      中禅寺湖北西岸の一部に1300mの標高としては珍しくトチノキが自生しています。また西ノ湖北岸でも珍しいヤダモチ林が見られます。

     

  2. フラワ-ウォッチング

    日光で見ることのできる代表的な花をご紹介します。

    木の花

    ヤマツツジ

    霧降滝

    5月上旬-5月中旬

    アカヤシオ

    六方沢橋・明智平・茶の木平

    5月上旬-5月中旬

    オオヤマザクラ

    中禅寺湖・湯川

    5月

    シロヤシオ

    中禅寺湖

    5月下旬-6月上旬

    トウゴクミツバツツジ

    中禅寺湖・竜頭の滝・千手ガ浜

    5月下旬-6月中旬

    アズマシャクナゲ

    日光植物園

    4月下旬-5月上旬

    アズマシャクナゲ

    中禅寺湖・湯の湖

    5月下旬-6月中旬

    ズミ

    戦場ヶ原・西ノ湖・光徳沼

    6月中旬-6月下旬

    レンゲツツジ

    戦場ヶ原

    6月中旬-7月上旬

    シウリザクラ

    湯元・切込湖

    6月中旬-7月上旬

    ツルコケモモ

    戦場ヶ原

    6月下旬-7月下旬

    カンボク

    戦場ヶ原・千手ヶ原

    6月下旬-7月下旬

    ナツツバキ

    中禅寺湖

    7月上旬-7月下旬

    ホザキシモツケ

    戦場ヶ原

    7月中旬-8月上旬

    ハクサンシャクナゲ

    男体山・白根山

    7月下旬-8月上旬

    草本の花

    ミズバショウ

    日光植物園

    4月中旬

    シライトソウ

    日光植物園

    6月上旬-6月中旬

    ユキノシタ

    日光山内

    6月中旬-6月下旬

    ニッコウキスゲ

    霧降高原

    6月下旬-7月中旬

    タチツボスミレ

    戦場ヶ原・中禅寺湖

    5月中旬-6月中旬

    ワタスゲ ( 種子 )

    戦場ヶ原

    6月中旬-6月下旬

    ウマノアシガタ

    戦場ヶ原

    6月中旬-7月下旬

    サギスゲ ( 種子 )

    戦場ヶ原

    6月中旬-7月下旬

    アヤメ

    戦場ヶ原

    6月下旬-7月上旬

    ハクサンフウロ

    戦場ヶ原・日光白根山

    7月上旬-8月上旬

    ノアザミ

    小田代原

    7月下旬-8月上旬

    ニッコウアザミ

    戦場ヶ原・小田代原

    7月下旬-8月上旬

    バイケイソウ

    戦場ヶ原・日光白根山

    7月下旬-8月上旬

    オオハンゴウソウ

    西ノ湖

    8月中旬-8月下旬

    アキノキリンソウ

    湯元・太郎山

    8月中旬-9月中旬

    ウメバチソウ

    戦場ヶ原・男体山

    8月下旬-9月中旬

    ノコンギク

    戦場ヶ原・太郎山

    9月中旬-10月上旬

    シラネアオイ

    日光白根山

    6月中旬-6月下旬

    マルバダケブキ

    日光白根山

    8月上旬-8月下旬

     

  3. 紅葉ウォッチング

    日光は紅葉の名所として毎年多くの観光客が訪れています。標高差があることから、9月中旬に白根山で始まった紅葉は11月下旬の日光市街まで、2カ月以上も場所を変えながら見ることができます。 紅葉は気象条件により年によって異なりますが、主なエリアの紅葉のベストシ-ズンをご紹介します。

    日光白根山(山岳部)

    9月中旬から9月下旬

    ダケカンバ、ミネザクラ

    湯元竜頭滝

    10月上旬から10月中旬

    ハルニレ、ナナカマド

    竜頭滝

    10月上旬から10月中旬

    ミズナラ、シラカンバ

    戦場ヶ原及び小田代原

    10月上旬から10月下旬

    ミズナラ、ホザキシモツケ、カラマツ

    西ノ湖及び中禅寺湖

    10月中旬から10月下旬

    ミズナラ、ブナ、カエデ類

    いろは坂

    10月下旬から11月上旬

    ブナ、カエデ類、マンサク

    日光市街

    10月下旬から11月中旬

    コナラ、カエデ類

    紅葉のシ-ズンは、最も道の混雑するシ-ズンです。休日をできるだけ避けて、朝早めに行動すると渋滞に巻き込まれる心配も少なくなります。

     

  4. 帰化植物と鹿の食害

    都市部ではセイタカアワダチソウとブタクサに代表される帰化植物が大繁殖していますが、日光ではオオハンゴウソウが猛威を振るっています。オオハンゴウソウは北アメリカ原産のキク科の植物で、冷涼な奥日光の気候にあっていたため奥日光の代表的な花になってしまいました。ボランティアの方々の駆除により戦場ヶ原では減ってきていますが、戦場ヶ原以外では大繁殖を続けています。
    近年の暖冬でニホンジカの生息数が急増し、樹木の皮や湿原の草本がシカに食べられると言う被害がでています。許可を得てシカの頭数を減らす対応がとられていますが、人為的なコントロ-ルに対して反対の意見もでています。


参考文献
奥日光ハンドブック・奥日光自然研究会/宮地信良編・自由国民社
栃木の花と風景を歩く・小杉国夫・随想舎
新・美しい自然公園12・財団法人自然公園美化管理財団


◆日光百選に戻る◆