コロナ禍でのネパールの現状報告(2021年3月12日)


コロナ禍においても、ネパールの子供たちへの温かいご支援をいただきまして心より感謝を申し上げます。

 毎年11月には奨学金の贈呈式、学校建設支援の開校式、共同水場建設支援の開栓式、そして里子達の家庭視察を行っておりますが、残念ながら2020年は実施できませんでした。

 つきましては、2020年初頭から始まった新型コロナウィルス感染症COVID-19のパンデミック(世界的大流行)におけるネパールでの感染状況と、それに伴う子供たち、村人たちの状況をご報告いたします。

 先ず感染状況ですが、2021年3月上旬までの報告では、感染者は27万5千人を上回り、死者は3千人を超えております。

 これまでの報告では、さいたまユネスコ協会が支援する奨学支援生たち、その家族や、学校関係者で重症の感染者は出ていないということです。

 ネパール政府は2020年3月24日よりロックダウン(外出禁止)を行いました。学校も閉鎖され、半年以上経った10月に再開されました。再開後も生徒の登校を半数にしたり、午前中のみ授業を行ったりと、学校ごとに感染対策を取りながらの状況がしばらく続きました。

 さいたまユネスコ協会へ届いた奨学支援生たちの手紙には、学校へ行けないので家で勉強をしていること、オンライン授業をしている私立学校もある中で自分たち貧しい人間は益々おいていかれてしまうのではという危惧、父親がコロナ禍で収入が無くなってしまった等、厳しい状況が綴られております。

 さいたまユネスコ協会のネパール現地協力者である垣見一雅氏からは、コロナ禍で収入が無くなったり、出稼ぎに行っている家族からの仕送りが無くなったりして食料も手に入れられない村人たちの飢えている窮状に対して、緊急支援要請が入りました。
 さいたまユネスコ協会としては、本多会長の指定寄附金より50万円を支援いたしました。50万円で200世帯の約1,500人に、米を各世帯50Kg、油1L、食塩1Kg、豆3Kg、そして洗濯石鹸1個を届けることが出来ました。
垣見氏からのメールには「涙をためて手を合わせてくれた女性、土下座をせんばかりに腰をかがめて私の足元に手を当てた男性。日本からの支援がこんなに村人たちから喜ばれると知って、本当に嬉しくなりました。」とありました。