第53回北海道ユネスコ大会 i n 札幌

[2019年度] 第53回北海道ユネスコ大会 i n 札幌

日 時 2019年11月2日(土)・3日(日)
場 所 京王プラザホテル札幌
参加者 -

「学ぼう!築こう!平和のこころ」と題し、13年ぶりに、北海道ブロック・ユネスコ活動研究会を主管し、全道の仲間と、SDGsや環境問題、フェアトレード、新たな取り組みなどについて活発な議論を交わすことができました。
お招きした「君の椅子」プロジェクト代表の磯田憲一さんは基調講演で、子どもに椅子という「居場所」を贈る意義や、その活動を通して出会った心を揺さぶる体験をお話になり、感銘を与えました。
また、本協会でも力を入れている「ユネスコ世界寺子屋運動」が30周年になったのを機に、カンボジアの担当者をお迎えし、現地のお話を伺えたのも貴重でした。

北海道ブロック・ユネスコ活動研究会レポート

基調講演では演題 「居場所を届けて 14 年」 ~生まれてくれてありがとう を公益財団法 人北海道文化財団理事長「君の椅子」プロジェ クト代表 磯田憲一氏より伺う。
豊かさとはなにか問う。子どもの人権がないがしろにされ、児童虐待やいじめが起きる。 かつてあった 向こう 三軒両隣の関係性がなく なり、地域の力は失われ、犠牲は子どもが受ける。
ルーズベルトの言葉「今いるところで、今ついているもので、今できることをしなさい」 行政マンは何もしないことが仕事といわれた が、磯田氏はその常識に挑戦してきた。
かつて、地域では子どもが生まれると花火をあげて皆でお祝いをした。花火に学び、代わ るものを提案したのが「君の椅子」。椅子は居 場所の象徴であり、心を育てる。
2006 年東川 町からスタートし全道に広がる。
2011 年 3 ・ 11 東日本大震災時に東北 3 県で 生まれた 104 名の子どもの家庭に手紙を出し 98 名の子どもに「希望の君の椅子・たくまし く未来へ」と名前を入れて寄贈。
子どもたちが 大人になったいつか、人生の壁に遭遇した際、「椅子」を思い出し、再び立ち上がる勇気を胸に湧きあがらせる時のあることを願っている と結ばれた。
「SD Gsに関する啓発映像コンテスト」入 賞者の発表 では北海道知事賞を受賞した札幌 藻岩高等学校から、未来デザインとして、将来 のキャリアについて深く考えた内容の発表、 札幌市長賞の札幌新陽高等学校からフェアー トレード紹介の発表があった 。
札ユネスコ協会の活動 については、寺子屋 プロジェクト、カレンダープロジェクト の活動を 紹介。
交流会では 橋本会員のお孫さん 、新 田僚さん によるヴァイオリン演奏 を楽しみ 、 豪華賞品のお楽しみ抽選会で盛り上がった。 二日目 はカンボジア事務所教育担当チーフ クラン・バンダイさん 、通訳の宍戸さんから 「世界寺子 屋運動」〜カンボジアの今〜 を聴く。
日本ユネスコでは、カンボジアアンコー ル寺子屋プロジェクトを実施しており、シュ ムリアッフでも識字率の低い、就学率の低い、 貧困率の高いところで 17 箇所 1.000 人が利用 している。基礎教育、収入向上活動、人材教育 を行う。月二回の給食プログラムで白いご飯 と具沢山のスープ。
HVI エイズや人 身 売買や 関する教育も必要。将来の夢が無い子どもが ほとんどだが、中学に進学すると、夢を語りだ す。効果は数字だけで語れない。教育省でも公 教育以外の教育として、認められている。 村 人も寺子屋と教育に対する態度が変わった。 まだまだカンボジアでは貧困で小学校を途中 で辞め、家事や農業をする子どもたちが多く いる。日本からの支援では、お金だけでなく、 人的交流が望ましいとの事 だった。
国内委員会報告では、 日本ユネスコ協会連盟から、現在のユネスコの状況、活動報告があ った。 世界遺産、首里城の火災には出席者 も心 を痛めており、当日募金活動を行った。 若者に とってもシニア層にと って も魅力的な活動の 追及が必要との指摘があり、各ユ協共通の課 題だと思った。
地区ユネスコの活動紹介 では、 室蘭ユネスコ協会から、 協会主催のユース・フォーラム 10 周年について、また、大谷室蘭高校でのESDパスポート活動、高校生カンボジアスタディツアー参加者から「ユネスコの世界寺子屋が 見たい!」と題した報告があった。
岩内ユネス コ協会からは平和を祈る折り鶴活動や、地元に根ざしたユニークな活動「赤ちゃんハイハ イ・ヨチヨチ大会」の報告があり 会場が和やかな雰囲気となった。
次回開催地の小樽ユネスコ協会からのアピールで閉会した。開会後のエクスカーションも和気あいあいと楽しみ、 充実した2日間であった。 (篠田 江里子)

2019年度 会報 No.45