会 長 あ い さ つ

和歌山ユネスコ協会
会長 芝本 和己

 和歌山ユネスコ協会は 1948年(昭和23年)に設立して、今年で満65年となります。
 和歌山県内の民間国際交流団体のNGOとしては最も古い歴史を持つグループの一つとして、国際理解や国際交流を深めてまいりました。ユネスコは、教育・科学・文化の分野で国際協力をすすめ、相互のコミュニケーションをはかりながら世界の平和と人類共通の福祉を実現しようとして設立された「国際連合教育科学文化機関」であります。

この理念のもと、私達は発足当初からさまざまな活動を展開しております。

活動の幾つかを紹介しますと、

○ 「平和の鐘」の打鐘会
毎年の8月15日を「争いなき日」として、せめて今日一日だけでも世界で争いがないようにと願って、岡山の時鐘堂を中心とする市内外27箇所で、毎年約1300人の市民とともに打鐘。

○ ドイツのボン・ユネスコクラブとの交流
 1985年に、和歌山が生んだ世界的ピアニスト杉谷昭子ご夫妻の尽力でドイツのユネスコ協会との文通、相互訪問、和歌山児童合唱団派遣による文化交流などおこなってきました。

○ 「ユネスコ世界遺産」意義の広報活動
 「紀伊山地の霊場と参詣道」がユネスコの世界遺産に登録され、この機会にユネスコがめざす世界遺産の意義を地域の人々に広く知っていただくために、講習会、講演会、展示会、シンポジュームなどを開催。

○ 地域文化の海外紹介
 1988年「少年剣道ユネスコクラブ」の和歌山市の姉妹都市米国ベーカースフィールド市に親善訪問。1992年「和歌山児童合唱団」をオランダ・ベルゲン市とドイツ・ボン市へ派遣し日本の歌唱を公演。

○ 絵画を通じた国際理解
 1967年姉妹都市ベーカースフィールドでの「児童絵画展」。1976年県民文化会館での「ユネスコアジア児童絵画展」。1998年和歌山ビッグホエールで開催の第1回アジアこどもフェスティバルin 和歌山での「アジアこども絵画展」など。

○ 国際協力活動
 世界には今、貧しくて学校に行けないで、そのために読み書きのできない非識字者といわれる15歳以上の人々が約7億7600万人未就学児童7500万人(2009年11月現在)もいるといわれます。
 このために安定した職業につけないで生活に困っている開発諸国の人々の支援を「学びの場=寺子屋」の普及をとおして、相互理解と国際協力をすすめていくユネスコ寺子屋運動」を展開しています。

○ 和歌山ユネスコ協会独自の寺子屋運動
 アジアの中で最も貧しい国ネパール、識字率も2000年の調査で、41.8%(男子57.5%、女子24.0%)とアジアで最低の識字率です。
 そのネパールのタナフン郡ビアス第7区(首都カトマンズから西へ150Km地域の人口1,100人の村)へ支援をしました。ネパールの新学期は、日本と同じ4月で、貧しくて学校に行けない38人の子供(男児22名、女児16名)を支援しました。
 学校や企業のご協力で集める「書き損じハガキ」の収集、チャリティーとしての「ユネスコ・ダンスパーティー」を通しての支援、ヴェトナムやネパールなどの支援先へのスタディー・ツアーの実施もおこなっています。
 世界の文化財保護の立場でアフガンにあるバーミャン石窟救済活動もおこないました。

○ 総合的学習への参画
 私達は、ユネスコ活動を広く市民に理解を得るため、広報活動を行っています。
 幸い、小中高等学校で総合的学習が始まりました。私達もこのカリキュラムに参画し、学校・地域・世界を一体化した国際理解教育に協力できれば、と考えています。
 今までに、和歌山市立有功東小学校、和歌山市立雄湊小学校、和歌山市立四箇郷小学校、かつらぎ町立大谷小学校、高野町立高野山小学校へゲストティーチャーとして会員が参加しました。
 今後、総合的学習に積極的に参画できるよう授業のカリキュラム、ビデオ・パネル等貸し出しリストを整備し、学校に働きかけていきます。又ゲストティーチャー勉強会も検討中です。

 ユネスコの勉強会年間4回程度、ユネスコの歴史や理念の勉強、外国の留学生などを招いての国際理解の勉強会を「ユネスコ教室」と題して実施。

○ 会員間の親睦 毎年の春もしくは秋に、「名勝と味を尋ねて」を行楽を兼ねて実施、新年には会員相互の親睦のため新年宴会などがあります。
 また、会員相互のコミニティーの場として会報「和歌山ユネスコ協会」を発行しています。

多文化共生をめざし世界平和を実現していくために、和歌山市民の和歌山ユネスコ協会へのご参加を心から歓迎する次第です。




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