鎌倉ユネスコ協会研修会2015

ESDに関する研修会がありました

昨年11月に日本(名古屋、岡山)で開催されたESD(Education for Sustainable Development:持続可能な開発のための教育)に関するユネスコ世界会議での、「国連ESDの10年(2005年-2014年)」に対する総括でESDに対する評価が確立されて以来、これまでのユネスコ活動は、ESDを中心に位置付ける方向へと、大きく舵を取ることになった。そこで、小池 治・横浜国立大学大学院教授を講師とするESD研修会を9月6日に鎌倉大仏殿の会場で実施した。研修会2015会員35名に加えてESDに関心を持つ非会員5名が参加。

ご講演では、まず「持続可能な開発」とは、将来の世代が自らのニーズを充足する能力を損なうことなく、現世代のニーズを満たす開発であると定義。しかし大量生産・大量消費・大量廃棄の現在のグローバル経済システムは地球環境の危機(温暖化、環境破壊、資源枯渇)をもたらしており、「持続可能な開発」でない。それゆえに「持続可能な社会づくりの担い手を育成するための教育」を意味するESDが喫緊に重要になっていると説明された。

次に、「持続可能な開発」に対する危機が世界のみんなの課題であることが最初に確認されたのが、1972年のストックホルム人間環境会議、ESDの必要性が最初に提起されたのは1992年のリオ地球サミット、ESDを世界的な動きとすることに貢献したのは2002年のヨハネスブルグ・サミットでの日本からの上記「国連ESDの10年」の提案であった、というESDの歴史を学んだ。

続けて、「国連ESDの10年」に対する日本の取組、地方自治体の取組と課題、国連大学の取組、更には上記世界会議で今後5年の優先行動分野についての合意をまとめたグローバル・アクション・プログラム(GAP)についてわかりやすく説明していただいた。最後にはユネスコ協会の地域と密着したESD活動の重要性と期待について述べられ、出席者からの色々な質問にもそれぞれ丁寧に応答して下さったので、参加者一同にとって大いに満足する研修会となったようである。

GAP で取り決められた5つの優先行動分野のうちで、「ESDに対する政策的支援」と「教育者の育成」の2つは政府・行政の責任である。一方で、「機関包括型アプローチ」、「ESDへの若者の参加の支援」並びに「ESDへの地域コミュニティの参加の促進」の3つは、私たち地域のユネスコ協会の責務であり、今後の課題として取り組みたい。(石田)

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