情報ア・ラ・カルト

◆肩の荷が半分おりて・・・
「皆さんのご支援で、ようやく肩の荷が半分おりました」。鎌倉ユネスコ第2代理事長・菅原幸助さんの張りのあるお声が電話口から返ってきた。このほど国が示した新しい支援策を受け入れ、中国残留孤児の9割近い2,200人が全国15ヶ所で起していた国家賠償訴訟が終結の見通しになった。
 原告団連絡会代表相談役として5年近い歳月、手弁当で全国を駆け巡り、裁判の証人台にも立ってきた菅原さん。23年間にわたり帰国者の老後の生活安定を求めて運動してきたことがやっと与党に認められた。今秋の臨時国会に提出される法案の実施にむけて、いましばし努力する必要がある。なによりも「敗戦時に自民族の子女を置き去りにしてきたことへの歴史認識の共有に向けて努めたい」と語る菅原さんには、ご自身が身許引受人になって迎え入れた家族同様の帰国孤児家庭が300世帯余にのぼる。「日本に帰ってきて良かった」と思ってもらえるようにと、菅原さんの支援活動はなお続く。(尾花)

◆朗読 「高瀬舟」
「高瀬舟は今日も罪人を乗せ、京の街を・・・」抑揚を抑えた流れるような声で朗読するのは、この道20年の赤尾道子理事。朗読くろこ会の代表として生涯学習センターフェスティバルで発表された。登場人物の若い罪人とそれを護送する年輩の役人。二人の男声を巧みに使い分ける。金屏風とマイクの舞台はいつしか霧の川面と化し、森鴎外の世界になった。(内田)

 

 

<新刊紹介>

平和の旅人 平山郁夫先生 画業六十年 喜寿記念

平山郁夫鎌ユ会長の喜寿を寿ぎ3年の歳月をかけて編集。昭和28年からの院展作品が冒頭を飾る。82名の名士から寄せられたお祝いの言葉。佐藤副会長が弟子入りをした頃の胸ときめくお話。尾花理事はサイさんの音楽会で先生がハーモニカを演奏されたこと。先生は27年前のユネスコ・フェローシップが契機となりシルクロードへ、文化財赤十字構想へ繋がったことを載せておられる。先生の暖かいお人柄とブルーモスクを思わせる青絹の表紙が美しい。 (内田)

 

 

民間ユネスコ運動60年史

ユネスコの生き字引の尾花さんが40年分を書かれたこの本、左頁に世界・日本・UNESCOと民間ユネスコ運動の対比、右頁にはその時期の重要な動きや話題が書かれていて、知りたい時代の事が読めます。第U部では各地ユネスコの活動が書かれ、どこからでも読め、自然とユネスコを身近に思える本です。 (山田ミ)

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