ユネスコ60周年・民間ユネスコ運動60周年

目黒ユネスコ協会会長 加藤玲子

人が人として 生きていく そのために大切なものは 何でしょうか? 人がすべての生命と共に生きていく そのために必要なものは 何でしょうか? こたえはみんな 一人ひとりの心の中にあるのです。 そのこたえを見つけること それがユネスコの目指すものです。
[(社)日本ユネスコ協会連盟パンフレットより]

ユネスコ(本部パリ)は、ユネスコ憲章の理念に基づき、さまざまな活動を展開している。たとえば、基礎教育の普及、科学技術・エイズ予防などの資質教育の強化、環境保全を含む水資源の管理、海洋資源の調査研究、世界遺産の保護保全、文化の多様性の保護、情報通信技術の教育など。なお、ESD(持続可能な開発のための教育)もユネスコが主導機関であり、昨年秋の総会では、「文化多様性条約」が日本を含む圧倒的多数の賛成により採択され(ショートニュース221号参照)、「水災害・リスクマネジメント国際センター」の設立が承認(日本国、つくば市)されたとのことだ。

1945年に創設されたユネスコは、昨年2005年に創立60周年をむかえ、記念式典、特別シンポジウムが盛大に執り行われた(ユネスコ1月号参照)。
民間ユネスコ運動は、日本から世界にむけて発信した事実として最たるものだ。1947年7月19日に仙台ユネスコ協力会の発足によるこの運動は、アジア連盟、世界連盟結成につながった。東洋の島国が五大陸を結んだ。

民間ユネスコ運動の働きは多岐にわたるが、2007年には「民間ユネスコ運動発祥60周年」を迎える。そして、このたび時を得て、7月19日が「民間ユネスコ運動の日」と定められた。それぞれの協会は、日本から世界へ波及したこの運動の役割を地球的規模で自ら見つめなおし、明日の糧に活かす良いチャンスとなるに違いない。

目黒ユネスコ協会は、仙台ユ協発足の7年後、1954年に誕生した。2004年に50周年を迎え、その年にNPO法人となった。目黒の地を中心にボランティアで支えるこの組織体の歴史は、試行の連続でもある。青少年対象の活動を辿つても幾つかの変遷をみる。「ユネスコ(子ども)学校」(17年間)、ユネスコリトルクラス、海外日本人学校との交流、中国帰国者3世への取り組み(18年間)、青年リトリート(15年間)、そして、今年度には「ユネスコジュニアクラブ地球」が誕生。また、2月末には、視察団が支援先のミャンマーの学校を訪問した。青年会員・増田満俊さんがインド・スタディーツアー(主催・日ユ協連)に出発するのも間もなくだ。
いま、この協会の誠実で健やかな歩みが、引き継がれていくことをひたすら望みたい。

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