ShortNews-223(3)

『より良い未来をつくるため』 

ESD=持続可能な開発のための教育について学ぶ

日ユ協連主催ユネスコ・ユースセミナー2005(2月11~12日)に参加して

増田 満俊 (目黒ユ協会員)

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ユースセミナーは、ユネスコ活動を実践し広げていくための方法とスキルを勉強することを目的とし、全国の16歳から35歳までの青年を対象に、毎年開催されています。今年は約70人が集まり、テーマであるESDについて学びました。

1日目の会場は、夢の島にあるBunB東京スポーツ文化館でした。ESDとは、Education for Sustainable Deve- lopment (持続可能な開発のための教育)の略で、よりよい未来をつくるために、環境、人権、平和、ジェンダー、国際協力、多文化共生、福祉など様々なテーマに取り組む教育活動をつなぐ、新しいキーワードです。2005年からの10年が、日本政府により「ESDの10年」と提案され、ユネスコがその主導機関であることをご存知の方も多いと思います。ユネスコによるESDの実践として、日ユ協連と読売新聞社が協力して行っている「ずっと地球と生きる」学校プロジェクトが紹介されました。

1日目の夜には、考え方とスキルを身につけるため、グループに分かれ、身近な問題点に対するプログラム作りを体験しました。私たちのグループは、自動車による大気汚染を取り上げ、これを解決するために、もっと自転車を有効に使えないかと考え、まとめました。自転車を使ったイベントを行い、利用価値を見直す機会を作ったらどうだろうかというアイデアも生まれました。

2日目は、隅田川のほとり明石町区民館に会場を移して、前日の夜に考えたプログラムを発表しました。私たちのグループの発表は、自転車の利用を勧めすぎたせいか、自動車の使用を否定したようにとられたようです。まとめる時間が限られていて、また、グループに自動車を運転する人がほとんどいなかったため、自動車はなるべく使わないようにして、自転車を使おうという方向に進めてしまったことが安易すぎたのだと思います。大気汚染は身近な問題として考えやすいと思いましたが、実践してみると意外と難しいと感じました。時間に余裕があったら、自動車メーカーの環境への取り組みなども取り入れられると良かったと思います。

パリ本部で行われた第4回ユネスコ・ユースフォーラムに参加した名古屋ユネスコ協会 山下郁代さんの報告などもあり、非常に刺激を受けました。二日間に、やや詰め込み過ぎとも思えるセミナーでしたが、その分、内容は濃く、とても充実していました。参加者の一部では、セミナーの前からインターネットで交流があったようで、セミナー中に交流の時間はあまりとられていませんでしたが非常にスムーズに進みました。

ここ最近はユネスコの青年はあまり元気がないのかなと少し心配しながらの参加でしたが、集まった青年の若さと元気の良さには圧倒されました。特に、高校生たちの熱心さと問題意識の高さが印象的でした。目黒の青年も負けてはいられません。みんなで力を合わせましょう。

《 増田 満俊さんのプロフィール 》
学生だった'95〜'98頃、国際交流リトリートなどの活動に参加。その後オーストラリアへ留学、帰国後(株)ニコンへ就職。現在、横浜市に在住。就職して数年が経ち、「会社で仕事しているだけじゃ、人生は楽しくない」と思うようになり、最近、仕事の傍らユネスコ活動に復帰。 ユネスコ・青年交流信託基金 ユーススタディツアーinインドに参加予定(2006年3月25日〜4月8日)。 「現地の状況を目で見て肌で感じ、たくさん勉強してきたいと思います」と抱負を語る。
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