減災教育と自然災害発生後の教育支援educationsupportitem

南相馬市・被災地は今

2012.12.11

震災子ども支援担当・上岡です。
福島県南相馬市の太田小学校を訪れました。
昨年度に同校からの要請を受けて支援した体育館の入り口マットは、今もきれいに使われていました。


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福島第一原発から30km圏内にある太田小学校。先生によると、震災直後は、緊急時非難準備区域に指定されていたため、学校が開けず、約1ヶ月後に市内の別の学校を間借りする形で、わずか42名の子どもたちとともに学校を再開したそうです。
その後、2012年1月、地域の方々の協力を得て除染作業を行った後、自校での授業を再開。
多くの児童が県内外に避難したままのため、現在、児童数は震災前の約半数の60名です。
ご自身も被災された先生は、『この子たちを、一生懸命育てたい。』との強い思いで、『これからも、この子たちは放射線との闘いが続きます。周りの方からいろんな心配をされると思います。隠したりせず、誇りをもって、夢をもってもらいたい。福島の子だから、何にも負けない子になると思います。』と、話してくださいました。


太田小学校のある南相馬市は、津波と原発事故の二重の被害を受けました。
市内は3つの地区で構成されています。太田小学校や市役所がある「原町区」と「鹿島区」。そして20km圏内に位置する「小高区」。小高区は福島第一原発事故以来、警戒地区に指定され、立ち入りが制限されていました。今年4月に警戒区域の指定が解除され、現在は、小高区へも自由に入れるようになったものの、瓦礫撤去を含め復興はほとんど進んでおらず、町は今も被災した当時のままの状態だそうです。
(なお小高区内にあった小中学校は、引き続き避難先の鹿島区の学校の敷地に建てられた仮設校舎で授業を行っています。)


南相馬市では、市外に避難された方、避難したくても出来ない方、市内に残る方、残りたくても残れない方・・・・それぞれ、私たちの想像を超える様々な思いを抱えながら生活されているようです。


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南相馬市のすべての学校に設置された放射線量モニタリングポスト

震災から今日で1年9ヶ月。私たちは今後も引き続き被災地の今をお伝えしていきます。

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