世界寺子屋運動terakoyaitem

フリーアナウンサー久保純子広報特使による「特使通信」カンボジア訪問記【第6回】

2019.12.04

世界寺子屋運動30周年を記念し、 ユネスコ世界寺子屋運動の久保純子広報特使が2019年3月、10年ぶりにカンボジアを訪問。第6回目の「特使通信」カンボジア訪問記を配信いたします。

 

センソック・リャンセイ寺子屋の地域では、子どもだけでなく、大人が通える夜間識字クラスが実施されています。夜間識字クラスは、寺子屋の建物だけでなく、サテライトクラスといって、村人の家の軒先でも多く行われます。今回訪れた夜間識字クラスは、夜7時くらいになると、仕事や夕飯を終えた文字どおり老若男女が、電灯一つない暗闇からどこからともなく現れ、30人ほどが集っていました。赤ちゃんを膝にのせた若いお母さんやお父さんもいれば、孫をあやすおばあちゃんたちの姿も。この日の授業は、生活一般についてでした。8ヶ月のコースでは、手洗いなどの衛生管理の大切さから男女平等、DVまで、多岐に渡って学びます。

   

センソック・リャンセイ寺子屋の夜間識字クラス

 生徒の一人、38歳のホンレイさんは、18歳と14歳の子を持つお母さんでした。1970年代のポルポト政権下で、やむなく小学校1年生でドロップアウトしてから学ぶ機会を得られませんでしたが、道路のサインが読めず、生活に不便さを感じたことから、ここに来て識字クラスに通うことにしたそうです。とにかく学ぶことが楽しい!そして、村人たちと集い、話したり、笑ったりしながら一緒に時間を過ごせることが大きな喜びだと話していました。さらに、学んだことによって、自信が持てるようになり、読み書きができる今は、どこへでも一人で行けるようになった。日々の生活で、物を売り買いする時もすべて一人で計算できるようになった。これまで頑なだった夫も、彼女に一目置くようになり、優しく、進んで話を聞いたり話したりしてくれるようになった、と寺子屋がもたらした変化を嬉しそうに教えてくれました。家庭内での地位の向上は、必然です。同じ女性として、母として、喜ばしい姿でした。

   

識字クラスに参加しているホンレイさんとの対談の様子

 学びが、村人たち、男性たちの価値観をも変えて、女性たちを新しい生活へ、新しい生き方へと導いてくれる。寺子屋の役割の大きさを改めて痛感しました。

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