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第47回世界遺産委員会報告

2025.07.25

2025年7月6日~7月16日、第47回世界遺産委員会がフランスのパリで開催されました。今年の委員会では、日本からの推薦案件の審議はありませんでしたが、新たに26の遺産が世界遺産リストへ登録(文化遺産21件、自然遺産4件、複合遺産1件)され、総数は1248件(文化遺産:972件、自然遺産:235件、複合遺産:41件)となりました。

「危機にさらされている世界遺産リスト(危機遺産リスト)」については、エジプト・アラブ共和国の「アブ・メナ」、リビアの「ガダーミスの旧市街」、マダガスカル共和国の「アツィナナナの雨林群」の3件が危機遺産リストから解除され、危機遺産リストは合計53件となりました。

アツィナナナの雨林群(マダガスカル共和国)は、違法な森林伐採や密猟等により貴重な生物や植物への脅威が懸念され、危機遺産リストに登録されていましたが、UNESCOや国際社会の協力により保護管理計画を策定・実施し、失われた森林被覆の回復や、密猟件数の大幅な減少といった改善が見られたことから、危機遺産リストから解除されました。

世界遺産委員会について詳しくはUNESCOのホームページをご確認ください(英語):https://whc.unesco.org/

【参考情報】

カンボジアの”Cambodian Memorial Sites: From centres of repression to places of peace and reflection”が新たに世界遺産リストに登録されました。この遺産は、クメール・ルージュによる投獄、拷問、処刑といった20世紀で最も深刻な人権侵害が行われていたことを示しています。監獄S21跡(現トゥール・スレン虐殺博物館)、処刑場跡(現チュンエク大量虐殺センター)等の3か所が含まれています。

当連盟が公益財団法人かめのり財団と共催で実施している高校生カンボジアスタディツアーの訪問先の一つとなっています。

スタディツアーについて詳しくはこちら

【世界遺産委員会とは】

世界遺産委員会は、世界遺産条約を履行するために組織された政府間委員会で、21か国の委員国で構成。世界遺産リストに記載されている資産の保全状況の審査や、世界遺産リストの登録、危機遺産リストの更新などを行います。

【問い合わせ】

国連UNESCOの日本国内の窓口は、日本ユネスコ国内委員会(文部科学省内)です。日本国内の世界遺産については、環境省、文化庁など関係省庁ならびに当該地方自治体へお問い合わせください。

世界遺産について「よくあるご質問」はこちら

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