世界寺子屋運動terakoyaitem

【まなびゲーター 久保純子 in ネパール】 現地レポート その①

2011.03.05

3月4日(金) 釈迦生誕の地、ルンビニから

2年前のカンボジア視察に続き、「世界寺子屋運動まなびゲーター」久保純子さんが”まさに今”訪れているのは、大国、中国とインドに挟まれた小さな国、ネパール。ネパールでは、ヒンズー教やさまざまな社会的要因によって、女性蔑視の習慣が根強く残っており、女性の識字率が44%と極めて低いことが問題になっています。
今回は、「ネパール・ルンビニ寺子屋プロジェクト」の学習者に密着する久保さんの様子を、現地よりお伝えします。

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◆AM9:00 ネパール人女性の日常
久保さんが最初に訪れたのは、ネパール南部のルンビニ・カピルバストゥ郡ラジプール村。カースト最下層のビナ・ビーケーさんは、寺子屋(CLC)の成人女性クラスに昨年の8月から通いはじめた3人の息子を持つお母さん。小さい頃は、学校が遠く、家が貧しかったため、小学校を中途退学してしまいました。藁葺き、土壁の4畳一間の小さな家の片隅で、薪で火をおこし、家族のための朝食をつくるビナさん。久保さんはビナさんを手伝い、ネパール人女性の一般的な生活を体験しました。

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◆PM12:00 パワフルなネパールの女性たち
12時からはじまるクラスに、久保さんはビナさんと一緒に登校。50人ほどの女性たちに、世界地図を見せながら自己紹介しました。久保さんが出席者に寺子屋の様子をたずねると、自分が学習するだけでなく、子どもの教育にも力を入れるようになったことや、なんでも話せる仲間ができた喜びを、口々に答えてくれました。

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◆PM2:00 寺子屋が村を変えた。
昼食を食べた後、久保さんは寺子屋の運営スタッフであるシャンティ・シャヒさんにインタビュー。以前は、家の中に引きこもりがちだった村の女性たちが、寺子屋を通じて積極的に外に出るようになったことや、シャンティさん自身も寺子屋によって人生が変わったことを、切々と語っていただきました。

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◆PM3:30 多様な寺子屋運動
収入向上プログラムに参加する女性グループの、野菜栽培や養鶏などの現場へ。久保さんは寺子屋が識字だけでなく、女性の「自立」を支えるさまざまな活動を行っていることを見学し、さらに、灌漑(かんがい)用足踏みポンプにも挑戦しました。

◆PM5:00 ビナさんの将来の夢
成人女性クラスの終わったビナさんが帰宅後、再び久保さんは、ヤギの餌となる草刈りや、洗濯、夕食をつくるために薪を集めて火をおこすなど、せわしなく働く彼女に密着。多忙な家事労働の中、それでも寺子屋に通うビナさんに対し、最後に久保さんが将来の夢をたずねると、ビナさんは自信を持って、SLC(高校卒業資格)を取って学校の先生になることだと答えました。そんなビナさんは現在31歳。遅れた青春を取り戻すように、寺子屋に通いながら充実した毎日を送るその笑顔には、希望が満ちあふれていました。
(その②につづく)

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