第9回高校生カンボジアスタディツアー【ニュースレター Vol.10/最終回】
2025年7月27日から8月3日の8日間、公益財団法人かめのり財団との共催で第9回高校生カンボジアスタディツアーを実施しました。参加した日本の高校生たちは、ポル・ポト政権時代の拷問施設や処刑場などへの訪問や、寺子屋の子どもたちとの交流などを通じて、国際平和や教育の大切さを学びました。
ツアーに参加した10名の高校生たちが、帰国後、現地での感動や学びをニュースレターとしてまとめました。9月8日(国際識字デー)以降、関連する国際デーに合わせて掲載しており、今回が最終回となります。

最終回となる今回は、12月9日「ジェノサイド犠牲者の尊厳を想起してその犯罪防止を考える国際デー」、12月10日「人権デー」に合わせて、Momoka T. さんのニュースレターを紹介します。
ニュースレター Vol.10
『国にはそれぞれの歴史や物語があり、着実に成長し続けているのです。だからこそ、それぞれの国の現状をもっと知る必要があると思いました。』
秋田県立秋田高等学校(秋田県) Momoka T.さん
将来は国際機関で働きたいという夢をもつMomoka T. さんは、「自分の目で見て、考え、行動したい」という強い思いがあり、本ツアーに参加しました。
『日本で平和な日常を送る私には想像しきれない苦しみが、この国の歴史には刻まれていることを実感するとともに、そこから立ち上がり、未来に向けて歩もうとする人々の強さも感じました。その一方で、寺子屋に通う子どもたちのような世代が、この悲惨な歴史を理解しているのか、疑問に思いました。絶対に風化させてはならないこの歴史をどのように紡いでいくかが今後のカンボジアの課題だと感じました。』(本人ニュースレターより)

12月9日「ジェノサイド犠牲者の尊厳を想起してその犯罪防止を考える国際デー」
12月10日「人権デー」
本日12月9日は「ジェノサイド犠牲者の尊厳を想起してその犯罪防止を考える国際デー」です。2018年にカンボジア特別法廷にて、ポル・ポト政権下で行われた大虐殺がジェノサイドの認定を受けました。また、今年の7月に大虐殺の現場となったトゥール・スレン博物館やキリングフィールドがUNESCOの世界文化遺産に登録されましたが、Momoka T. さんが言及しているとおり、カンボジアではポル・ポト政権下で起きたことを積極的には教えない傾向にあります。ジェノサイドの防止のためにも風化をさせない取り組みが大切です。
そして明日12月10日は「人権デー」で、「世界人権宣言」が出された日でもあります。「世界人権宣言」は、生命に対する権利はもちろん、教育や医療へのアクセスの権利などが示されており、普遍的な500を超える言語で読むことができる世界史上で最も翻訳された文書となっています。

現在も後発開発途上国(国連総会の決議により認定された特に開発の遅れた国のことを指し、カンボジアも含まれる)は世界で44か国あり、生命の安全が脅かされたり教育へのアクセスが制限されたりするなど多くの課題を抱えています。しかし、各国の状況は少しずつ異なるほか、着実に発展を続けている国もたくさんあります。
『世界には発展途上国と呼ばれる国がまだまだたくさんあります。将来、私が大人になる頃にはそれらの国々が現状から抜け出せることを願いつつ、自ら様々な国に実際に訪れることを目標に、日々努力を重ねていきます。この大切な経験を糧に、私は国際機関で働くという夢の実現に向け、これからも歩みを進めていきます。』(本人ニュースレターより)
Momoka T. さんのニュースレターには、カンボジアの発展の様子や日本とのかかわりについても記載されています。日本とカンボジアの友好と更なる発展を祈念して、ぜひMomoka T. さんのニュースレターをお読みください。
終わりに
全10回にわたり配信してきたニュースレターにお付き合いいただき、ありがとうございました。
高校生カンボジアスタディツアーにご支援いただいた関係者の皆さま、そしてニュースレターを読んでくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。
<参考>
➀「ジェノサイド犠牲者の尊厳を想起してその犯罪防止を考える国際デー」について
国際連合広報センター:https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/49368/
②「人権デー」について
国際連合広報センター:https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/51396/
③後発開発途上国について
外務省:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/ohrlls/ldc_teigi.html
■バックナンバー
これまでのニュースレター Vol.1 ~ Vol.9 は、前回の記事(Vol.9)からご覧いただけます。






