寺子屋の子どもたち アンコール遺跡群 訪問学習へ
2月9日~11日、カンボジアの寺子屋で学ぶ子どもたち104人が、世界遺産学習のためアンコール遺跡群を訪問しました。ウイルス感染対策で密を避けるため、寺子屋2軒ずつのグループで、3日間に分けて行われました。
日本ユネスコ協会連盟では、カンボジアの子どもたちが自国の歴史や文化を学ぶ「アンコール塗り絵プロジェクト」を行っています。これまでに世界遺産アンコール、カンボジアの無形文化遺産、伝統的な生活様式をテーマに塗り絵教材を作り、学校や寺子屋で活用してきました。
子どもたちは塗り絵教材で各テーマについて学んだあと、塗り絵に描かれていた遺跡などを訪問して、専門家の話を聞きながら本物を見学します。世界遺産のおひざ元であるシェムリアップ州に暮らしていても、市街地から遠く、貧しい人の多く暮らす農村部では、遺跡に行ったことのない子どもも少なくありません。
見学のあと、子どもたちは塗り絵作業にも取り組みました。完成後、先生に指名された数人の子どもたちは前に出て、自分の塗り絵について発表します。内容は、使った色を選んだ理由などです。
参加した子どもたちからは、「この日を指折り数えて楽しみにしていました」「こんな大きな建物(遺跡)は初めて見たし、とても美しいと思いました」など、たくさんの感想が寄せられました。寺子屋の先生たちにも初めての体験で、専門家の話が大変勉強になったという声もありました。
カンボジアの教育現場では、人材不足などのため、世界遺産学習や、体験を伴う学習活動がまだあまり豊富ではありません。この活動を通じて、子どもたちに歴史と伝統文化を大切に思う心が育まれ、人類共通の遺産が未来に引き継がれることを願っています。
この活動は、世界遺産活動へのご寄付で実施しています。あたたかいご支援に感謝申し上げます。
ご参加方法は こちら