
2021.04.16
| 世界寺子屋運動 |
世界寺子屋運動「インド・ゴカックプロジェクト」事後評価報告書
現在、2017年から19年度にかけて3ヵ年計画で、最大都市ヤンゴンの北部に位置するバゴー地方域で、主に貧困のために小中学校を中途退学して働く10歳~17歳の青少年1440人(年間480人)に対し、識字(特に読解力推進)や算数などの①「基礎教育」と合わせ、保健衛生知識、コミュニケーション能力向上などの②「生活スキル教育」を提供しています。
なお、ミャンマーでは寺子屋建設を行わず、学校や僧院など既存の施設を活用しています。
従来、ミャンマーは15歳以上の成人識字率は93%とされてきましたが、UNESCOの最新のデータでは76%と下方修正されました。その背景には、以前は「小学校2年生程度」であった識字の基準が、国際標準の「小学校4年生程度」に改められたこと、さらに、135もの民族が暮らすミャンマーでは公用語のビルマ語以外を母語とする少数民族を念頭に、ビルマ語普及による識字の質改善が課題として捉えられつつあることが考えられます。
ミャンマーの教育は、小学校5年(5~9歳)、中学校4年(10~13歳)、高校2年(14~15歳)の11年制です。小学校就学率は98%に達しますが、中学校修了率は41%に留まります。SDGsの教育目標の一つ「全ての子どもたちが最低9年の義務教育を受けられる」の達成にはまだ長い道のりで、公教育だけでなく、CLC(寺子屋)のようなノンフォーマル教育が果たす役割も重要です。(UNESCO Global Education Monitoring Report 2019)
内戦からの避難や貧困が理由で、小中学校段階で学校を退学した子どもたちは、家計のため働かざるをえません。その中で、社会が抱える様ざまな問題、伝染病・HIV/AIDSなどの病気のリスクや、ドラッグ・人身売買などの危険に対し、身を守るためのさまざまな知識が不足しています。基礎教育だけでなく、子どもや若者たちが安心して暮らせる知識を学べる場所は、切実に求められています。
[ ミャンマーの基本情報 ]
ミャンマーでは、2011年の民政移管以来、基礎教育の拡充が重点課題のひとつとなっています。初等教育カリキュラムの改定が日本政府の支援で進められ、2017年6月には小学校1年生の新教科書が導入されるなど、さまざまな努力が続いています。しかしその一方で、内戦の影響を受けた地方の人びとや、軍政時代に著しく経済が停滞したことで大量に生み出された貧困層には、教育機会が十分とはいい難い状況です。
[ 活動概要 ]
世界寺子屋運動では、現在、以下の活動を行っています。
私たちの活動には、多くの方々にさまざまなかたちでご協力・ご支援をいただいています。
わたしたちの想いに共感してくださる方を、心よりお待ちしております。ひとりひとりの力を未来の力に。